世界5位・張本智和「僕はサーブが下手」の真意 屈辱の敗戦から1カ月でサーブを強化【卓球 WTT横浜】

SHARE
記事をシェア

張本智和 PHOTO:World Table Tennis

「僕は(サーブが)下手だと思っている」

意外な言葉だった。

【LIVE配信】卓球『WTTチャンピオンズ横浜2026』8月4日(火)〜9日(日)開催!日本戦全試合を独占ライブ配信
 
8月5日に行われた「WTTチャンピオンズ横浜」男子シングルス1回戦。オーストラリアの21歳、ラム(世界ランク44位)にストレート勝ちした直後、張本智和(トヨタ自動車/世界ランク5位)は自身のサーブ力をそう評した。

世界のトップ5に入る張本が、サーブが下手―――。もちろん、そんなわけはない。

「このレベルになれば、サーブがうまいのは当たり前なので」

本人がそう付け加えているように、あくまでも世界トップレベルの話。

実際、張本のサーブは完成度が高く、中でも、真下に鋭く切れる強烈な下回転サーブは持ち味の一つだ。相手のミスを誘い、甘く浮けば3球目攻撃で仕留める。

バリエーションは決して多くないかもしれないが、それには理由がある。

サーブ1本で得点を狙うのではなく、相手のレシーブの回転やコースを限定し、3球目攻撃、さらには得意のラリーにつなげるためだ。

卓球のサーブは強い変化をつければ、その影響が相手のレシーブに残る。それを読み切れなければ自分の3球目攻撃が難しくなる。いわば諸刃の剣でもある。

張本は、サーブの得点力が高い松島輝空(個人)や戸上隼輔(井村屋グループ)を引き合いに出し、こう語る。

「松島選手や戸上選手はサービスエースも取れれば、3球目でチャンスボールを生かすこともできる。僕はまだサーブが台から出るのが怖くて、回転をかけられないところがある」

しかし、ラム戦では違った。張本のサーブが台から出ることはなかったし、最終の第3ゲームは4-3の絶妙な場面でYGサーブに切り替えた。

「そこから一気に5点ぐらい取れた。1、2ゲーム目は横回転のサービスが効いていたけど、3ゲーム目は慣れられたので、YGに変えたことで一気に突き放すことができました」

さらに張本は「ラリーには絶対的な自信がある。ラリーだけで点を取ってきた自負があるので、そこに少しでもサーブ力が加われば、楽に勝てる試合が増えると思う」と続ける。

そこでこの1カ月、サーブ練習に重点を置いて取り組んできた。

きっかけとなったのは、6月から7月にかけて行われたWTT USスマッシュ。3回戦でロシアのシドレンコ(世界ランク16位)と初対戦しストレートで敗れた一戦だ。

「実力で負けたというより、(自分の)サーブで崩れてしまった。特に5ゲームマッチで2ゲームを先取されたら、ラリーでもどうしようもできない。自分に足りないところを一つ挙げるとすれば、サーブ力なのかなと思います」

とはいえ、近年ではバックサーブを取り入れるなどバリエーションも増えている。一つ一つの技術の精度も高い。

ならば必要なのは、どのサーブを、いつ使うのか。そして勝負どころで、それまでとは違うサーブを選択する勇気なのだろう。

ラム戦で見せたYGサーブへの切り替えは、サーブ強化の成果の一端と言える。

2回戦では、シドレンコとのリベンジマッチも期待されたが、シドレンコを下した向鵬(中国)との対戦が決まった。昨年の同大会でも準々決勝で対戦し、張本がゲームカウント4-2で勝利した相手だ。

試合は7日(金)午後5時30分に開始予定。横浜で2連覇を目指す張本智和のサーブの進化に注目したい。


文=高樹ミナ

『WTTチャンピオンズ横浜2026』8月4日(火)〜9日(日)開催!
U-NEXTで日本戦全試合を独占ライブ配信。卓球チャンネル(Youtube)でも外国勢同士の試合を一部ライブ配信。

U-NEXT:https://tvtokyo.tv/4pmYE1d
YouTube:https://tvtokyo.tv/49sl24y