2017.08.22

ツアータイトル獲得!見えてきた!? 伊藤美誠 復活の日

伊藤美誠 Photo:Itaru Chiba

 2016年ポーランドオープン以来、1年4か月ぶりにペアを組んだ石川佳純(全農)と伊藤美誠(スターツSC)が「ITTFワールドツアー・ブルガリアオープン」(パナギュリシテ・2017年8月15~20日)で予想以上の結果を持ち帰った。20日に行われた女子ダブルス決勝で、二人は今年2月のインドオープン優勝ペアのエクホルム(スウェーデン)/ポータ(ハンガリー)にゲームカウント3-1で勝利。息の合ったコンビネーションで、早くもツアータイトルを獲得したのだ。


石川佳純が伊藤美誠をストレートで圧倒!2冠達成!


 思えば石川/伊藤のペア再結成は、もっと前に実現していてもおかしくはなかった。そのタイミングを挙げるとすれば、ちょうど1年前のリオ五輪直後。当時、石川の世界ランクは6位、伊藤は9位で日本女子のトップ2だったこともあり、実際、当時のナショナルチーム内では二人のペアが検討されていたと聞く。

 しかし、9カ月後に控えた「世界卓球2017ドイツ(デュッセルドルフ・5月29日~6月5日)」に向け石川が組んだのは、伊藤との約11年にもおよぶ「みうみま」ペアを解消した平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)。一方の伊藤は同い年の早田ひな(希望が丘高校)とペアを組み、伊藤/早田の高校2年生コンビはアジア選手権で銀メダル、世界卓球2017ドイツでも銅メダルを獲得するなど順調に成果を上げていた。

 その矢先だっただけに今回のペア変更は意表をつく”人事”だったといえるが、平野とのペアで結果が出ず、世界卓球後に組んだ浜本由惟(日本生命)とのコンビネーションも噛み合わなかった石川の模索を思えば、伊藤とのペア再結成は然るべきトライであり既定路線ともいえるだろう。


初心に帰り土台固めをした上で進化を目指す

 いくら実力のある選手同士が組んでも、必ずしも力を発揮できないのが卓球のダブルスといわれる。そんな中、1年4か月ぶりの石川/伊藤ペアがワールドツアーで優勝できたのは、今大会に世界王者の中国や強豪シンガポール、ドイツなどが出場していなかったこともあるが、リオ五輪後、長らく不調にあえいでいた伊藤が本来の調子を取り戻したことが要因の一つとして考えられる。

 伊藤は前陣速攻型と呼ばれる、卓球台に張り付くようにして速いピッチで返球する戦型(プレースタイル)で知られるが、速さだけでなく、より威力のあるボール、すなわちパワードライブを身につけようと、今年に入って粘着性の高い「中国ラバー」と呼ばれる中国製のラバーを使うようになった。日本製のラバーよりも回転をかけやすいが、そのぶん球離れが遅く、使いこなすには強いフィジカルが必要。

 そこで伊藤は筋力アップや体幹を鍛えるトレーニング、果てはボクシングまで練習に取り入れ徹底的にフィジカル強化を図った。さらに、ここ数年やらなかった基礎練習の多球練習にも取り組み、ナショナルチームの合宿では居残り練習までする熱の入れようだったという。

 練習の質だけでなく量をこなすことで自らを追い込む伊藤。陣営は「初心に帰り、もう一度土台固めをした上で進化するため」と説明する。相手の意表を突く奇想天外なプレーや自由な練習スタイルが持ち味の伊藤が、かつてないスランプを経験したことによって、卓球に対する意識や考え方に変化が生まれた。その結果、時に自滅を招くこともあった攻め一辺倒のプレーから、苦手だった「我慢」のプレーもできるようになってきた。

(文=高樹ミナ)

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