2017.11.21

張本智和 金メダリストに惜敗も「どんな試合でも負けは負け」【卓球・スウェーデンOP】

張本智和 Photo:Itaru Chiba

 ITTFワールドツアー最終戦のスウェーデンオープン(2017年11月13〜19日)<ストックホルム>は張本智和(JOCエリートアカデミー)にとって、雪辱を誓った一戦だった。男子シングルスの2回戦。1回戦をフルゲームの末に勝ち上がった張本は、今年の世界卓球ドイツ大会シングルス準々決勝で1ゲームしか奪えずに負けた中国の許キンと対戦した。リオ五輪男子団体金メダルの許キンは4か月間大会参加しておらず現在は世界ランク外となっているが、元世界ランク3位の実力者。同16位の張本にとっては明らかに格上だが、張本は勝機を狙っていた。そして、そのチャンスは十分にあった。
 しかし、結果は3ゲームをリードしてからの逆転負け。北欧の寒空の下、悔しさだけが身にしみる大会となってしまった。


勝ち急ぐ気持ちが攻める気持ちを鈍らせた

「世界卓球の反省で、最初から思い切って攻めることができた」と試合の序盤を振り返る張本は最初の2ゲームを連取。第3ゲームこそ奪われたものの、続く第4ゲームを奪って勝利まであと1ゲームと迫った。まさかそこからまくられるとは……。この時の心境を張本はこう話す。

「(ゲームカウント)3-1でリードできたんですけれども、そこで勝ちたくなって、思い切り攻めることができなくなった。レシーブもゆっくりのチキータしかできなくて。もっと速いチキータとかコースを突くとかあったと思う」

 許キンといえば、中国式ペンホルダーから繰り出す回転量豊富なフォアハンドドライブが武器で、これをブロックしようとすると抑えきれずオーバーしてしまうことが多いといわれる。張本もその点に触れ、「フォア側に打たれたボールをブロックして、それがいいコースに決まればいいけど、ブロックよりもカウンターの方が入る確率も高く、いいボールも行くので、しっかりカウンターできれば良かった」と反省点を挙げる。


足りなかったメンタルの強さと涙の理由

 ゲームカウント3-3に追いつかれた時の精神状態はどうだったのか? 本来は一旦、気持ちをフラットにして0-0から始めるつもりで最終ゲームに臨むのが理想なのだろうが、許キンに勝ちたい気持ちが強く、冷静になる余裕を持つのは難しかったという。他方、許キンはといえば、「最後のゲームは表情も試合の進め方も全然違っていた」と張本。中陣でひたすら回転をかけるプレーに徹してきた許キンに対し、自分も粘ろうとしたが、「敗因の一番は技術的なことよりメンタル。8割くらいがメンタルで負けていたんじゃないかと思う」と再び反省を口にした。

 とにかく悔恨の念が色濃い張本。試合後には涙も見せ、ショックの大きさをうかがわせた。思わずあふれた涙の理由とは?

「中国の選手に勝ちかけて負けた人はたくさん見てきたので、絶対に自分はそうなりたくないって、ずっと思っていて、でもやっぱり簡単にはいかないのかなっていう。観客から見れば、『やっぱり中国が勝ったのか』という感じの終わり方だったので……。満足感はゼロで悔しい気持ちだけです」

「(ゲームカウント)3-4で負けて『よく頑張ったね』と言われても、0-4で負けて『全然ダメだったね』と言われても負けは負け。また、どんなに下手なフォームでも、どんなにかっこいいボールを打っても、相手より1球でも多く台に入れることが大事だなって改めて思う。勝てなかったことに対して本当に悔しい」

 張本からはもはや「悔しい」という言葉しか出てこない。

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