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第5回:「帰国」

 
空港から新宿へ向かうバスから見える風景の中に
イエローキャブもブロンクスの青々とした緑もない。
ぼーっと外を眺める視線の先は
どうやらあるはずもないヤンキースタジアムを探してるようだ。
初の海外出張で会社の先輩に迷惑をかけたけど、
でも、人生の中で忘れられない仕事になった。
オールスタープレスルームの席とりに奔走したこと。
そこから見たセレモニーがあまりに素晴らしくて泣きそうになったこと。
ヤンキースタジアムの記者席の冷房が強くて、震えながら英語のスコアをつけたこと。
そして、松井選手の打席だけは一つも見逃すまいと、
スコアそっちのけで毎回スタンドにかけ上がったこと。

そしてこの目で見た、松井選手、サヨナラホームラン。

大きなことから何気ないことまですべてが懐かしい。

耳にこびりついて離れないのは観客の声援だ。
ファインプレーやホームランには味方関係なく、
スタジアム中が最高の賛辞を送 るのは知られたことだけど驚いたのはブーイング。
ファーストゴロでピッチャーが一塁のベースカバーに入らなかったりすると、
たとえそれがホームチームでも 「BOO〜!!」。
その場面でのブーイングは野球を知ってないと出ないというのは
私が半年間野球を勉強してやっと分かったこと。
ファンは勝ち負けの前に、ベースボールに愛情を持っているのだ。

一説にはボールパークにはバックネットしかないからだと言われている。
いつファウルボールが飛んでくるか分からないからみんな真剣にゲームを見るようになる。

だからこそなのか、松井選手がゲッツーだったりするとスタンド中からため息が漏れた。
それを苦笑いで聞きながら
「これは松井選手に対する期待の裏返し」と自分を納得させて記者席に戻る。
そしてサヨナラホームランの後は 「MATSU〜I!」 というファンの声援を耳に
まばたきもできないような興奮状態で記者席に帰った。

息を切らして通ったそんな往復路が
後から思い出すと一番懐かしいのかもしれない☆

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