“トッケビ”とは?!
韓国で古来から伝承されている不可思議な力を持つ存在で『人間に福をもたらす。』と言われている。日本語では“鬼"と訳されることが多いが、韓国の“トッケビ"と日本の“鬼"とは異なる部分が多い。
~トッケビの特徴~
トッケビには角がない
韓国でも“トッケビ=角”というイメージを持つ人は多いが、実はそのイメージは日本の“鬼”の影響で、本当はトッケビには角がなく、人間の姿をしていたのではないかと言われている。
イタズラ好き
トッケビが死神にシャワーキャップを被せるいたずらをするが、そんな幼稚ないたずらこそがトケッビの真骨頂。遊ぶことが好きで、遊ぶときは全てを忘れて遊ぶ。死神との念力バトルに夢中になる姿は実にトッケビらしい。
記憶力が悪い
ウンタクが何を望んでいるか答えられず、ウンタクに「前職が武臣だから記憶力はイマイチ」と言われるが、本当にトッケビは記憶力が悪く、借りたお金を返したのを忘れて毎日返したり、名前を覚えられず誰に対しても「キムさん」と呼んだりしたらしい。
そばが好き
そばはトッケビの大好物。民話にはそばを使ってトッケビを誘い出す話もある。一説によると、トッケビには内蔵がないため、消化の良いそば豆腐を好んで食べたとか。そば畑がトッケビのヒーリングスポットであるのもうなずける。
肉好き
野菜を庶民の食べ物とバカにし、いつも高級そうなステーキを食べていたトッケビ。
これもトッケビの特徴のひとつ。肉を買ってきた村人に「肉をくれ」と言って相撲の勝負を挑む話など、肉にまつわる話が数多く伝わっている。人間に福をもたらす
本作ではトッケビが守護神の役割も果たしていたが、民話の中のトッケビは困っている人に福を与えたり、財物を与えたり、反対に悪い人には罰を与えたりする。
そのため、韓国ではトッケビを“福の神"として信仰する風習もあり、「鬼は外」と追い出さる日本とは大違い。ほうきになる
本作の冒頭で「血や手垢の染みついた物がトッケビに変わる」というセリフは実際に伝わる言い伝えで、トッケビはそういうものに身を変えて正体がバレないようにすると考えられていた。
本作では剣だが、ウンタクに「おじさん、まさかほうきに変わるの?」と言われるシーンがあるように普通は使い古したほうきや火かき棒など生活に密着したものに身を変えると言われていて、トッケビを木にくくりつけたら、翌朝、血のついたほうきに変わっていたという話もある。馬の血が怖い
トッケビの民話の一つに、トッケビに好かれた寡婦がトッケビを遠ざけるため、トッケビが嫌いな馬の血を家のあちこちにまいて家に入れないようにしたという話がある。実はこの寡婦、トッケビにさんざん金銀財宝をもらって金持になったあげくにこんな仕打ちをしたので、トッケビは「女なんか信じられない」と叫びながら逃げていったそうだ。
賭け事が好き
民話にでてくるトッケビは賭け事が大好きで、よく人間に賭けを持ちかけてはいつも負けている。本作でも、少年テヒとバッティング対決することになり、大いにはりきるが、見事惨敗。ウンタクに「千年続く悲しみと愛、どっちがあると思うんだ」と言っていたが、さりげなく賭け事好きの本性が出たのかも。