今回のハテナ
> 平成17年7月17日放送分 「カエルの歌は聞こえてくるの?」
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今回のねらい

日本の初夏の風物詩、カエルの合唱。その構成員にいま異変が起きている。「クヮクヮクヮ」は聞こえるが「ケロケロケロ」が聞こえない。「クヮクヮクヮ」のアマガエルは健在だが、「ケロケロケロ」のトノサマガエルの仲間が急速に減っているためだ。
かつて本州から九州にかけて文字通り田んぼの殿様だったトノサマガエルの仲間たち。しかしいま、関西のダルマガエルは、国レベルの絶滅危惧種に指定されている。関東のトウキョウダルマガエルも、東京、神奈川、千葉で都道府県レベルの絶滅危惧種になっている。いま、どこへ行けば昔ながらのにぎやかなカエルの合唱が聞けるのだろう。そして、カエルの合唱の変化は、私たちに何を伝えているのだろうか?

今回のねらい
企画のポイント

○カエルをレポートすることになったクワバタオハラだが、実は二人はカエルが苦手。そこで、カエルが好きになるようにと、カエルをペットとして飼う田中希さん(自然観察・保護団体「里山くらぶ」)宅を訪ねる。おっかなびっくりカエルに近づく二人だが、メスと離れた瞬間に鳴き始めるオスガエルの習性に驚く。実はカエルの合唱は、オスがメスを呼び寄せる“愛の歌”だった。

○今の子どもたちはカエルの声を聞いたことがあるのだろうか? 都内の小学校でカエルの鳴き声を聞かせて、その音が何なのか聞いてみた。結果はズバリ、カエルと答えた子どもは10人中5人。カエルと答えたなかにも、本物のカエルを見たことがないという子もいた。知識はあっても、カエルとふれあう経験が少なくなっている。

○日本のカエルが減ってきたのは、宅地化によって水田そのものが少なくなってきたことに加え、乾田化や畦のコンクリート化など、圃場整備による水田の構造の変化が主な理由といわれている。現在、日本にいる43種類のカエルのうち、8種類が絶滅危惧種に指定されている。そのなかには、かつては関西地方を中心にあたりまえにいたトノサマガエルの仲間のダルマガエルも含まれている。

○世界的にも紫外線や温暖化の影響でカエルの数が少なくなってきているという。環境の変化に敏感なカエルは、研究者の間で“環境のカナリヤ”とも呼ばれている。カエルへの被害はやがて人間にも影響を及ぼしかねないと指摘する学者も多い。

企画のポイント
企画のポイント
いまだかつてないトライ
高橋道場
高橋道場
高橋道場

今回、クワバタオハラは昔ながらのカエルの合唱を探す。都心でも「クヮクヮクヮ」のアマガエルの合唱は聞けたが、「ケロケロケロ」のトウキョウダルマガエルの声は聞くことができない。

トノサマガエルの仲間のトウキョウダルマガエルは、かつて関東地方にはあたりまえにいた。松尾芭蕉が江戸深川で詠んだ「古池や蛙飛び込む水の音」のカエルもトウキョウダルマガエルだったといわれている。しかし現在、東京、神奈川、千葉で都道府県レベルの絶滅危惧種に指定されている。田んぼの周りでしか生きられないトウキョウダルマガエルは、田んぼの環境変化についていけないためだ。

一方、森や草むらでも生きられるアマガエルは、いまもたくさんの場所で鳴き声を聞くことができる。田んぼに行っても「クヮクヮクヮ」のアマガエルの鳴き声しか聞けないのはこのためだ。トウキョウダルマガエルなど、トノサマガエルやその仲間が減っている現在、これは全国な傾向になっている。

トウキョウダルマガエル入の合唱を聞きたいクワバタオハラは、東京郊外のあきる野市を訪ねた。さすがにこのあたりまでくると田んぼが残っている。しかし、平地の田んぼは畦や用水路がコンクリートで固められて、カエルの姿すら見つけることができない。

次に二人は、山あいの田んぼを訪ねる。昔ながらの泥の畦が残るこちらの田んぼでは、ウシガエル、ヒキガエル、ヤマアカガエルなど、たくさんのカエルを見つけることができた。畦など田んぼの周囲に適当に草が生えていて、カエルにとっては天敵から逃れる、格好の隠れ場所になっているようだ。

そしてついに二人は、念願のトウキョウダルマガエルを見つけることができる。カエルの合唱を聞くために夜を待つ二人。やがて、アマガエル、ツチガエル、そしてトウキョウダルマガエルなどが奏でる昔ながらのカエルの合唱を聞くことができた。

意外な場所でなくトウキョウダルマガエルの姿も紹介。そこはなんと都会のど真ん中、六本木ヒルズ!! 屋上庭園の水田用に運び込んだ埼玉の土の中にトウキョウダルマガエルが偶然入っていたためだ。摩天楼を見上げながらメスを求めて鳴くオスガエルの声は、現在、カエルが置かれている状況を象徴しているようにも聞こえる。

高橋道場

今回の「高橋道場」では、高橋さんがカエルの声帯模写にトライ。以前、ロケで悩まされたウシガエルの鳴き声、そして、犬のように鳴くイシカワガエルの鳴きまねを披露する。

ゲストコメンテーター
コメンテーター:福山欣司さん(慶應義塾大学助教授)

 

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