今回のハテナ
> 平成18年6月4日放送分 「スズメのお宿はどこ?」
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今回のねらい
 弥生時代、稲作の伝来とともに日本に渡ってきたと言われるスズメ。以来、最も身近な鳥として、人々の暮らしの中で棲み続けてきた。そんなスズメにいま、異変が起きている。この4月、北海道でスズメの大量死が発生。道に寄せられた死骸情報は1,500羽にもおよぶ。また、イギリスではここ数十年にスズメの数が10分の1に激減した。だが、どちらも原因は分かっていない。そもそもスズメは、あまりに身近な鳥のために、どこに何羽いるのか、どんな暮らしをしているのかなど、これまで詳しく調査されたことはあまりなかった。
  近くて遠い野鳥、スズメ。その暮らしぶりを明らかにしながら、都市に暮らす野鳥と人間のかかわりにトコトンハテナ!
今回のねらい
企画のポイント

■スズメの謎の大量死
 イギリスと北海道で起きているスズメの激減や大量死。その原因は、鳥インフルエンザや中毒ではない。「スズメにエサをあげるお年寄りが少なくなったため」「農業の方法が変わった」など、さまざまに推測されているが、どれも決め手に欠ける。スズメは人間社会に依存した鳥であるため、その異常が「人への警告」ととらえる研究者も多い。

今回のねらい
いまだかつてないトライ 〜スズメと2ショット写真を撮ろう!〜
いまだかつてないトライ
いまだかつてないトライ
いまだかつてないトライ

身の回りで毎日目にするスズメだが、彼らがどのように暮らしているかは意外に知られていない。そこで、今回の「いまだかつてないトライ!」は、2ショット写真をとるなかで、スズメへの接近を試み、スズメの暮らしを調査しようという作戦。

■スズメのお宿はどこ?
クワバタオハラがまず訪ねたのは、東京都江戸川区にある葛西臨海公園。都内有数の野鳥の宝庫として、たくさんのバードウォッチャーが訪ねる。海岸沿いではウやサギの仲間、林のなかではカワセミやカワラヒワなどの野鳥に出会うが、肝心のスズメの姿がない。同行してくれた野鳥観察ガイドの長澤越子さんに聞くと、スズメは自然が豊富な林のなかではなくて、人のいる場所が好きだという。
ならばと向かったのが、たくさんのバードウォッチャーが訪ねる野鳥観察ためのウォッチング・センター。その屋根の下には、たくさんのスズメが巣を作り、子育てをしている。春から夏にかけてはスズメの子育ての季節だ。
巣を数えると20もある。さっそくスズメとの2ショット写真を撮り始めるクワバタオハラ。しかし、スズメは二人に近づいてくれない。長澤さんに聞くと、スズメは警戒心が強いという。仕方なく、遠くのスズメで妥協。

スズメは人のそばが好き。そこでクワバタオハラが次に訪ねたのは、新宿の商店街。と、たくさんのスズメが群がっている一画があった。不思議に思って近くのクリーニング店で聞くと、店主の松崎光治さんが餌付けをしているのだという。
餌は食パン。それを1日に何度も与えている。餌はハトやカラスが入ってこないように直径7センチのパイプのなかに入れる。餌がなくなると、スズメたちは店の前の道路や電線の上からおねだりする。
スズメとの2ショット写真が撮りたいクワバタオハラは、松崎さんに頼んでスズメを集めてもらうことにした。パンを道路にまくとたくさんのスズメが集まってくるが、2メートル以内には近づいてこない。

スズメが人のそばに棲むのは、人間のおこぼれを餌にしているから。しかし、古くから稲の害鳥として人に追い払われてきたスズメは、人への警戒心を解かないのだという。

■スズメの暮らしは変わったのか?
最近、都会のスズメの暮らしが変わってきたという。それを確かめにクワバタオハラが訪ねたのは、東京の中心部にある日比谷公園。日本野鳥の会東京支部の中村一也さんに案内してもらって公園内の東屋を訪ねると、東屋の屋根の下にたくさんの巣が作られている。親鳥たちはヒナの餌やりに忙しい。

さっそく2ショット写真を撮ろうとするクワバタオハラ。しかし、二人が巣の真下にいると親鳥は警戒して東屋に入ってこない。結局、スズメの巣との2ショットになってしまった。

中村さんによると、この東屋に巣が作られるようになったのは、今から4〜5年前のこと。本来スズメは瓦の下など、人から見えない場所に巣を作ってきた。この東屋のように、丸見えで、しかも人が手を伸ばせば届きそうな場所に巣を作ることは以前は考えられなかったという。
スズメの営巣場所の変化は、スズメの住宅難に原因があると中村さんはいう。周囲の木造建築が減って、巣の作り場所に困ったスズメが、仕方なく以前は考えられなかったような場所に巣を作っているのだという。他にも、信号機のなかやコンクリートの水抜き穴など、スズメたちは必死に新しい巣の場所を見つけているようだ。
しかし、ゲストコメンテーターの川内博さん(都市鳥研究会事務局長)は、住宅難の一方で、都会の人たちがスズメを驚かさなくなったことが、スズメの警戒心をなくさせているともいう。

明治36年の日比谷公園の開園とともにオープンした老舗のレストラン、日比谷松本楼。そこの三代目社長・小坂哲瑯さんは、最近、セミやチョウなどの昆虫類が少なくなったことが気になっている。公園内の舗装化が進み、土や草など、虫の棲む環境が減ってしまったためだ。
実は、スズメは人のおこぼれだけでは生きていけない。アオムシやガなどの昆虫を食べる必要があるのだ。特にヒナの餌のほとんどは昆虫だという。スズメの暮らしは、自然環境の変化にも大きな影響を受けていた。

■オフィス街のスズメのオアシス
オフィス街にスズメのオアシスがあると聞いてクワバタオハラやってきたのは、東京駅に近い八重洲ダイビル。その屋上に40年も前に作られた庭園は、人のためではなく野鳥のために作られたのだという。屋上に植えられている樹木は40種類と超え、実のなる木などどれも鳥が好きな樹種が選ばれた。鳥の餌になる虫が棲むように、雑草も生えている。水場はふだん人が見えない場所に作られ、鳥たちが安心して水飲みや水浴びができるようになっている。

ここならスズメとの2ショットが撮れるかもしれない。しかし、二人が訪れた日はあいにくの雨で、スズメの鳴き声が聞こえてこない。ようやく見つけたスズメも、オハラが大騒ぎして逃げてしまった。

■お台場の人気スズメ
どうしてもスズメとの2ショットを撮りたいクワバタオハラは、すごいスズメがいると聞いてお台場にやってきた。カフェの野外テラスで「ご隠居」というあだ名の初老の男性が、スズメを操っているのだという。実はその男性は、カフェの常連で、3年間スズメに餌を与え続けて、餌付けに成功したのだという。普通なら人の姿を見ると逃げ出すスズメが、なんとご隠居の手から直接餌を食べる。
さっそく、2ショット写真を撮り始める二人。これまでは2メートルが限界だったが、なんと二人の目の前にスズメが現れ、見事2ショット写真の撮影に成功する。

ゲストコメンテーター
川内 博さん(日本大学豊山中学校・高等学校 教諭/都市鳥研究会事務局長)
著書に「大都会を生きる野鳥たち〜都市鳥が語るヒト・街・緑・水〜」ほか
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