今回のハテナ
> 平成18年9月3日放送分 川はどこまでキレイになったの?
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今回のねらい
 今から50年ほど前の高度成長期、日本の街を流れる川はどぶ川と化していました。しかし近ごろは、各地で川の環境が良くなってきたといわれ魚が戻ってきたというニュースも聞かれます。日本の川は以前と比べてどれくらいきれいになったのでしょうか。
今回は、カヌーで川を下りながら、水質を調べていきます。川下りするのは、埼玉県から東京の都市部へと流れる荒川。岸辺から見るのとはちょっと違う、水面から見た川は?

今回のねらい
いまだかつてないトライ 〜カヌーで川下り・荒川の水を調べる〜
いまだかつてないトライ
いまだかつてないトライ
いまだかつてないトライ

○ 川の中流部から調査スタート
全長173キロにおよぶ荒川は、埼玉県西部から東京東部の人口密集地を流れ、東京湾に注ぐ川。
荒川の川原にやってきたクワバタオハラ。源流から約70キロ地点の川を見て、まずは透き通った水に感動。続いて水質を調べる二人。調べたのは、水の汚れ具合を表す代表的な指標の「COD」という値で、この値が高いほど汚れが多いとされる。
スタート地点のCODは、このとき「12(mg/リットル)」だった。源流部だと測定値は2mg/リットル程度となる。このCODの値は時間帯や水量によって変動はあるものの、キレイに見えるその水にも汚れが含まれていることがわかった。
この先、どんどん下流へ下って行くと、川はどうなっていくのか。川面からの大調査、カヌーに乗り込みスタート。

○ 荒川に流れ込む支流の水
源流から約120キロ地点。カヌーは、一本の支流が流れ込む地点にやってきた。支流の水は濁りが強く、匂いもする。水の汚れを示すCODは「15」。クワバタオハラは上陸して支流を遡ることに。水面に泡が立ち下水臭のするところもあり、住宅地のそばで水質を見ると、水の汚れを示すCODは「19」にまでなっていた。
汚れの原因は、生活排水にあるらしい。周辺の急速な宅地開発に下水道整備が追いつかず、家庭の浄化槽でも、トイレの水は処理するがそのほかの生活排水はそのまま流している所もあるようだ。地元の人によれば、それでもこの支流は、以前に比べればきれいになったという。以前に多かった工場からの汚水が規制されたことが理由の一つのようだ。
昔より良くなったとは言え、汚れの多い水が支流から流れ込んでいる荒川。下流はどんなことになっているか心配…。

○ 上水道のために取り込まれる水
クワバタオハラのカヌーは東京都の浄水場の取水口付近にやってきた。都民の水道水の一部は荒川の水でまかなわれている。水質を調べると、このあたりの水のCODは「12」。さっきの場所より汚れていない。どうして?
実は荒川には、水道水の確保を目的に利根川からきれいな水が大量に引き込まれているため汚れが薄まっている。同時に、このあたりで流れ込む支流も流域の住宅が比較的少なく汚れが少ないようだ。

○ もう一つの見えない川・上水道と下水道
荒川の本流から上水道へ水を引く取水口。浄水場へと運ばれる水の量は、川の流れのなんと4分の1に当たるという。まるでもう一つの見えない川が枝分かれしているようなものだ。引きこまれた水は浄水場から家庭の蛇口へ、そして排水口を経て下水道を通り水再生センターで汚水処理されて再び川に戻ってくる。戻ってきた水は、莫大なコストと労力をかけて汚れを取り除いた結果、とてもきれいになっている。
しかし、広域に排水を集める下水道には問題もある。下水道以前には、地域の小川や水路は生活排水や雨水を集めて流れていたが、それらがすべて下水道に流されるため、身近な川は水量が減ってしまった。
水量が減った川は、生き物がいなくなり、水をきれいにする機能も失っていく。どうしようもなく汚れてしまった川は、暗渠に変わり、人目から遠ざけられていることも多い。

○ 下流でも「キレイ」
河口から5キロ地点。川幅は増し、海水が3分の1ほど混ざっているという。水は見た目には濁りがあるが、CODは低く「7」。飲んでみると確かにしょっぱい。
荒川下流の環境に詳しい人が投網で魚を捕ってクワバタオハラに食べさせてくれた。以前は臭くて食べられなかった川の魚やエビが、ここ数年は臭さがなくなり食べられるようになっているという。
さらに海に近づくと、川岸に干潟が出来ている。5年前まではコンクリート護岸だったところに、コンクリートをはがして自然の干潟を再生したものだ。干潟には、カニが棲み、葦などの植物が茂る。これらの生物が川の水の汚れを分解吸収し、川の浄化に役立っている。ここで計ったCODはさらに低く「6」。下流ほど汚れがひどくなっているわけではなかった。

高橋道場 〜川に流れる生活排水を調べる〜
高橋道場
高橋道場
高橋道場

生活排水に多く含まれている洗剤。
その主成分である「陰イオン界面活性剤」がどのくらいの濃度で川の水に含まれているかを調べてみる。

ゲストコメンテーター
堂本泰章さん (財団法人 埼玉県生態系保護協会)
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