日本人なら今こそ知っておきたいトリビア 奥深く壮大な「おにぎり」の世界

2015年10月16日

日本人なら今こそ知っておきたいトリビア 奥深く壮大な「おにぎり」の世界
秋は行楽にうってつけの季節。食欲の秋、収穫の秋でもあるこの時期は新米がおいしい季節でもあります。行楽のお供の定番でもある「おにぎり」は、私たち日本人にとっては馴染み深い存在ですよね。でも、おにぎりとおむすびの違いは? そもそも、日本で最初のおにぎりは? 実は知らないことが多いおにぎりについて、改めて考えてみました。 今回お話を伺ったのは「一般社団法人おにぎり協会」の協会代表理事・中村祐介さん。我々の疑問にお答えいただくばかりか、おにぎりに関するトリビアや、協会が考える「おにぎりの未来」など、こんなにも奥深く壮大なおにぎりの世界を知ることになるとは……。

おにぎりの発祥はいつなの?

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「石川県中能登町(旧鹿西町)では紀元1世紀ごろに、弥生時代中期のコメが炭化した塊……つまり『おにぎりの化石らしきもの』が発掘されています。また、奈良時代の文献に『握飯』の記述があり、少なくとも稲作が始まった奈良時代からおにぎりの原型があったと推測されます」(中村さん) 「おにぎりの化石」なんてものが発掘されていたとは! 石ころと間違えずに見つけたことも驚きです。

「おにぎり」と「おむすび」の違いって?

「一般的に言われる『形や地方によって呼び分けられる』『おにぎりは三角、おむすびは俵型』などは、実は根拠がない俗説なんです。諸説ある中で、信ぴょう性が高いとされているのが語源説。おにぎりは『握り飯』の丁寧語、おむすびは宮中や大奥の女官言葉がルーツだそうです」(中村さん) たしかに「おむすび」の方がどことなく雅な響きである感じはしていましたが、語源を聞いて納得です。

おにぎりにも東日本と西日本の違いはある?

「おにぎりの形状について、幕の内弁当が起源とされる『俵型』は、江戸時代に町民文化が花開いた大阪を中心に広まったとされています。一方、東日本は『円盤型』や『三角型』、中部地方は『球型』が多いなど、ある程度の地域ごとの傾向はあるようですが、明確な違いがあるとまでは言えないようです。 一方、具材については東西というより都道府県ごとに特色が出ておもしろいですよ。京都には『苗めし』という俵型ににぎった赤飯にきなこをまぶしたおにぎりがあったり、和歌山と三重の間の熊野地方には『めはりすし』といって農作業中などに食べられてきた、高菜でくるんだおにぎりがあったりします」(中村さん) おにぎりには地域の文化が根付いているんですね。

「未来のおにぎり」ってどんなの?

「おにぎりにはさまざまな形に変化する多様性があり、さらなる進化系が出てくるものと期待しています。ごはんで具を挟み半分にカットした『おにぎらず』がブームとなっていますが、これはいわば『おにぎりの孫』。おにぎり協会としては、江戸時代に広まった寿司もおにぎりの発展型、ある種『おにぎりの子』ととらえています。最近ではスティックおにぎりなるものも登場してきて進化速度は加速傾向です」(中村さん) おにぎりは進化しているんですね! そんな中村さんに「おにぎりの未来」について聞いてみました。 「おにぎりはシーンとニーズに応じて、あらゆる提案が可能です。今後、スポーツ用、勉強用、ダイエット用など、用途別のおにぎりが出てきてもおかしくありません。たとえばマラソンなどの持久力系スポーツにおける食指導は、レースの数日前から炭水化物を多く摂取する『カーボ・ローディング』が主流になっています。現在は欧米流の考えからパスタが用いられていますが、少なくともアジア人にとっては米のほうが消化吸収しやすいはず。パワー系競技であれば、タンパク質豊富な『プロテインおにぎり』、受験などを意識するのであれば、脳の活性化と持久力を意識した『低GIおにぎり』などが向いているでしょう。ワインに合わせるなど、パーティー用途などはまだまだ開拓の余地があると思います」(中村さん) おにぎり協会では、これらのシーン別に提案する「機能性おにぎり」などの開発に着手しているそうです。日々のおにぎりの変化を見逃さないようにしなくてはいけませんね。

おにぎり協会の夢はデカかった!

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おにぎり協会のメンバーや関係者のみなさん 最後に、中村さんはこんなおにぎりに関する夢を語っていました。 「2020年の東京オリンピックで、海外から来られた方々に、和食のルーツであるおにぎりを通じて日本と日本の食文化を知ってもらいたいと思っています。選手たちが機能性おにぎりを食べ、観戦者の皆さんがおにぎりをほおばりながら競技を楽しむ。日本のお米や海苔、具材などがおにぎりを通じて世界に知られていくことを目指しています」(中村さん) 「みんなでおにぎりをほおばる東京オリンピック」なんて、想像してみると楽しそうでいいですね。おにぎりがあれば、まさしく運動会の規模がそのまま大きくなったようなアットホームなオリンピックになりそうです。 おにぎりを深く知ったことで、なんだかおにぎりがより大切な存在に感じられてきたのは私だけでしょうか。いつも心におにぎりを! 【取材協力】 一般社団法人おにぎり協会 テレビ東京のお取り寄せグルメ「虎ノ門市場」では、おにぎりにしてもおいしい、こだわりのお米をご紹介しています。