あ、これ私もやってた……! 鍋にまつわる「迷惑行為あるある」

2016年11月20日

あ、これ私もやってた……! 鍋にまつわる「迷惑行為あるある」
寒くなると、お店や家庭で「鍋」を食べる機会が増えます。大勢でワイワイ食べる楽しい場である反面、マナーや気遣いの応酬がおこなわれるシーンでもあります。今回は、多くの人が「あるある!」と頷けるであろう鍋のシチュエーションでのNG行為について、マナーの専門家である諏内えみさんの見解をうかがいました。 ※※※ 仕切りたがりの鍋奉行もやっかいですが、誰も仕切る人がおらず、期せずして鍋の“運営”を任されることがあります。そんな仕切り役に抜擢された場合、気をつけたいのは、ひとりよがりの鍋にしないこと。具材を入れる順序や煮方、座る位置など、鍋の好みやこだわりは千差万別なのです。
あ、これ私もやってた……! 鍋にまつわる「迷惑行為あるある」
具材の取り分けは、その人の気遣いが大きくあらわれる部分

■取り分ければいいってものじゃない!

鍋の具が煮上がったら、どんどん各人のお皿に取り分ければいいというものではありません。よそってもらった具材は残しにくいもの。仕切り役の人は「苦手な食材があったら仰ってください」と、ひと言添えるとよいでしょう。お料理を無駄にしないためにも、また、好みを知ってより親しくなれる機会でもあるかもしれません。もちろん、よそってもらった人も「これ、苦手だから……」と鍋に戻すのはマナー違反です。そんな事態を避けるためにも、事前のひと言を。

■張り切りすぎるのもちょっと迷惑?

さて、鍋のシーンでは、女性目線から見た男性のNGも。男性がダイナミックに盛りつけてくれるのは微笑ましい部分もあります。しかし、張り切った男性が食材を探すのに鍋の中をかき回して、柔らかいお豆腐がグチャグチャになってしまったり、汁が飛んだり跳ねたり……。せっかくよそってくれたのはいいのですが、エノキダケや春菊が取り皿から見映え悪くはみ出ていたり、取り皿の底部分まで汁が垂れていて持てなかったり(苦笑)。女性が同席する場合は、特にデリカシーを持った仕切り役に徹してください!

■具材を上司の前に置くのは配慮不足

意外と盲点なのが、具材のお皿を置く場所。盛りつけられた白菜、ニンジン、椎茸などの野菜や肉団子などの具材を、上司の目の前に置いていませんか? 上司の前に鍋を置くのは問題ありませんが、具材を目の前にドンと置くのは、上司に「作ってください」というようなもの。鍋の場合は、一番若手の人が調理を担当することも多いと思います。つまり、若手の人が下座へ座ればいいとは限らないのです。
あ、これ私もやってた……! 鍋にまつわる「迷惑行為あるある」
鍋を囲むときの席順は通常の宴会とはちょっと違うことを覚えておこう

■最後にポツンと残った食材……誰の責任?

大皿料理でも鍋でも、取り分けるお料理はエンディングが難しいものです。鍋の中に残った車エビや鶏団子がひとつ。誰もが手を出しにくいですね。これは、実は最後から2番目の人の責任なのです! 「自分が取ったらひとつだけ残る」というのは明確。もうひとつも、どなたかの取り皿に入れてさしあげましょう。ラストワンの気まずい空気をつくらない気遣いもマナーです。

■鍋は美しく〆(シメ)ましょう

鍋料理は大勢が参加するだけに、テーブル上が乱雑になりがち。なるべく美しい印象にするには、お鍋や自分の取り皿に残ってしまったお料理などは、すみに寄せておくのがよいでしょう。そして、自分のテーブル周りにも気を配り、白菜の切れ端や汁など飛び散ってしまった所をきちんと拭くと美しく終了できます。

■鍋だけじゃない、ありがちな「ありがた迷惑行為」

宴会の場合、鍋以外の料理も多く並びます。番外編として、鍋以外のNGマナーについても触れておきましょう。まず串もの。親切心から、わざわざ串から外してよそってあげたりするのも考えものです。「人がいじったものは何だか、おいしそうに感じられない」というのが、よそわれた側の本音のようです。   次に、サラダなどの大皿の料理。ここで多いのが“逆さ箸”です。取り箸がないとき、自分の箸の後ろ側を使って取り分けてはいませんか? 気を利かせているつもりのこの行為、実はマナー違反! 手で触れる部分で料理を取るので非衛生的であると同時に、お料理がついてしまった箸をそのまま使うのは、見た目にも美しくありません。しかし、取り箸が用意されていないとき、「ここは直箸だな」と勝手な判断は禁物。それほど親しい間柄でない場合、先ずはお店の方に取り箸を頼むのが正解です。 最後に“重ね皿”。みんなの使い終わったお皿を集めて重ねていくのは、かいがいしく見えるかもしれませんが、油ものなどはかえって洗うのが大変になります。お店の人にとっては、ありがた迷惑です。 家庭から職場まで、テーブルを囲む食事にはマナーがつきもの。親切心から行っている行動も、ちょっとした勘違いやマナー違反で逆効果になってしまうのは残念なことですね。今回お伝えしたポイントを実践いただき、心地よい食事のひとときを過ごしていただければ私も嬉しく思います。 【著者プロフィール】 諏内えみ マナースクール ライビウム代表。映画やドラマでの女優のエレガント所作指導を始め、上質マナーや美しい所作、スマートな社交術の指導に定評がある。「ハッ!とさせる 美しい立居振る舞い講座」「“また会いたい”と思わせる 話し方講座」などが人気。テレビ出演、著書多数。