映画監督 ・瀬々敬久さんからのご指名は、この方。

 

作家そしてミュージシャンでもある 辻仁成さん。

 

そっと 目の前に現われた辻さん。

想像通り、とても しなやかなたたずまい。

そのハスキーヴォイス。

そして情熱と冷静さを兼ね備えたような語り口、

いつまでも年齢を感じさせない 辻さんの不思議な魅力です。

 

 

奥様は、皆さんご存知 女優の 「中山美穂さん」

 

結婚してフランスへ拠点を移し、もうすぐ10年。

離れてみて、改めて日本の素晴らしさを感じる事が多いと言います。

 

昨年3月の大震災では 「祖国・日本」

(初めて祖国という言葉を使いたくなったそうです)の惨状に

できる限りの事をしよう、とすぐに動き出しました。

 

福島で、自分達で作った絵本の読み聞かせをしたり、

以前活動していた「エコーズ」というバンドを再結成し、

音楽で 東北の方にメッセージを送ろうと。

 

 

『 小説家としては、直ぐに言葉で励ますことが出来なかった。

  あまりにも事態が深刻すぎるから・・

  ただ今後、もっと精神的に深い意味で 「小説」 の役割は

  必ず出てくるはず。 』    

 

辻さんはそう言います。

 

 

3年ほど前から、大学(京都造形芸術大学)で教鞭をとっている辻さん、

昨年の夏から 「人間塾」 という私塾を開きました。

 

『 ここは、押し問答を行う場所。

  知識を詰め込む勉強ではなく、自分の頭で考えて、

  自分達の未来をどう選択してゆくのか・・ それが人間塾 』

 

国や世の中の状況が一遍に良くなることはない。

ただこの不条理の世の中であっても、

人間が「何かに向かって、状況を良くしたい!と動く力」

その気持ちを育てることが大切なのではないか。

日本の若者の道標の場を作りたいと、一念発起したそうです。

 

 

さて。 

そんな辻さんがお薦めして下さった本が こちら。

 

    『 霊山 』    高 行健 (ガオ・シンジェン)   著       

 

 

中国人作家として初めて ノーベル文学賞を受賞した 

フランス国籍の亡命作家 高行健 の代表作。

 

「スミスの本棚」で、ベスト3に入るほどの難解な本でした!  

(集中して読書した1週間は、夢にまで霊山が出てくるほどでした・・)

作家の分身と思われる 「私」と「おまえ」、

人称が章ごとに入れ替わる手法に まず面食らいます。

 

前後の物語の関連性はほとんどなく、中国の風習、民族、神話、死後の世界・・

あらゆる要素を盛り込みつつ、空想と現実を行き来しながら、旅は続きます。

 

確かなことは、

この小説で、中国の知られざる姿が垣間見えるということ。

その政治体制から、これまで表に出てきていない 

中国独自の因習や、政治をめぐる事件など・・     

とても興味深い内容です。

 

高さんへのノーベル文学賞が、書籍に対してだけではなく、

彼の文学活動や姿勢全般に対して与えられたものだというのも 

納得です。

 

 

辻さんは、この本を 『 わけのわからない 怪物 』 だと言います。

それだけ、インパクトのあるすごい作品。 

ぜひ、高行健の世界観に浸りながら、

これまで知らなかった 刺激的な中国を体験してみて下さい。

 

「スミスの本棚」ホームページはこちらから

http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/blog/smith/

 

 

[an error occurred while processing this directive]
[an error occurred while processing this directive]
PICK UP NEWS
[an error occurred while processing this directive]
[an error occurred while processing this directive]