93年のデビュー以来、その好感度の高さからテレビCMでその姿を見ない日はない。女優、司会、ナレーション・・・、幅広い活躍をしながら 「4歳になる娘の子育て」と、忙しい毎日を過ごす。
■本上さんが薦める本
「奥村晃作歌集 現代短歌文庫」(砂子屋書房)
現代短歌とは一線を画す異色の作品を発表し続ける歌人、奥村晃作(74歳)の歌集。
その特徴は「ただごと歌」と呼ばれる作風。見たままを読み上げながらも、日常のなにげない風景を鮮やかに切り取る。
本上さんの”お気に入り”の作品は・・・
「ボールペンは三菱がよく三菱のボールペン買いに文具店に行く」
「どこまでが空かと思い 結局は 地上すれすれまで 空である」
物事の真理を鋭く切り取る作品も・・・
「自動車と呼ぶ金属の函(はこ)の中にんげん一人黙して座る」
「満員の朝の電車の車内にてじかに押し合ふ他人の肉と」
本上さんは、奥村晃作さんの作品について「ひとつの物事を、真正面から、ものすごい眼力で、見つめ続けて射抜く」ようだ表現します。そして、奥村さんの短歌は忙しさに追われる現代人に日常の大切さを気づかせてくれると語ります。
「毎日ってこんなに楽しいんだ、こんなにハッピーなんだとか、こんなに面白いことがあるんだとか、そういうことを感じてもらえると思う」
【短歌とツイッターの”共通点”】
短歌とは奈良時代に成立した「五・七・五・七・七」の5句31音の定型詩のこと。
本上さんはその魅力をこう語ります。
「普段自分が使っている言葉で、どれだけ面白いことが言えるとか、どれだけあっと言わせられるものをつくれるかとか・・・、いまはメールとかツイッターとか、短い言葉のやり取りってすごくたくさんあちこちで行われているので、皆さんができるのでは?」とのこと。
【本上まなみד文章”】
本上さんは、エッセイストとしての顔も持っています。
本上さんが、文章を書くのが好きな理由は意外なものでした。
「人に自分のことを話すのは非常に苦手なタイプなんです。あの時こう言えば良かった、ああすれば良かったって、いつも思っちゃうんですけど、文章だとそれが心行くまで直せる。そのペースが、自分にあっているんです」
日常生活でのふとしたことを、やわらかな文章で語りかける・・・。そんな独特の「本上スタイル」で綴るエッセイは、多くの人をひきつけています。
■本上さんの著書
「はじめての麦わら帽子」(新潮社)
「ほんじょの鉛筆日和。」(マガジンハウス)
「ほんじょの眼鏡日和。」(マガジンハウス)
「ほんじょの虫干。」 (新潮文庫) など
【本の"たすき"を渡す人を】
「作家の阿川佐和子さんを。小さい体にたくさん面白い話が詰まっていて、
話せば話すほど相手が元気になっていく」
【森本智子の取材後記】
http://ablog.tv-tokyo.co.jp/morimoto/2011/04/post-130.html