現在61歳。広告代理店のCMディレクターを経て作家に。代表作に「機関車先生」「海峡」などがある。92年、「受け月」と直木賞受賞。3月の大震災では仙台の自宅で被災。震災後、その著書が特に注目を集めている。

 

5月22日、仙台市の書店で開かれたサイン会には多くの被災者も駆けつけて長い行列が・・・。

 

 「無事だったんだから その分がんばりましょう」
 「 親戚大丈夫だった?その分だけきちっと生きないと・・・」

 

伊集院さんは、一人一人に声をかけ続けていました。

 

 

【人は人に救われる】

 

■伊集院さんの著書①

   「いねむり先生(集英社)

 

震災後の傷ついた心を癒す、といわれる一冊。

「いねむり先生」とは、ナルコレプシー=突発性睡眠症という持病を持つ阿佐田哲也こと、作家の色川武大さん。

女優の妻の死後、アルコールやギャンブルに溺れる生活を送っていた主人公「サブロー」が「先生」と出会い、安らぎを得て再生を果たすという伊集院さんの自伝的小説です。

 

  

  その人が
  眠っているところを見かけたら
  どうか やさしくしてほしい
  その人は ボクらの大切な先生だから

 

本の冒頭に書かれたこんな文章から、伊集院さんの「先生」への思いが伝わってきます。

「先生に対する敬愛、敬う気持ちをずっと持ち続けて、この人といると得とか損とか将来何か役に立つか一切考えない」

伊集院さんは「先生」との出会いによって救われ、”再生”することができたのです。

 

 

【20年前に聞きたかった言葉】

 

■伊集院さんの著書②

   「大人の流儀(講談社)

 

混迷の時代に、「大人」はどう振る舞うべきなのか。

東日本大震災など、理不尽や不条理なことにどう立ち向かえばいいのか。

「大人のふるまい」が求められる今、多くの人がこの本を手にとる・・・。

 

 

伊集院さんは、この本で25年間封印してきた亡き妻で女優の夏目雅子の死についてはじめて綴っています。


「私を救ってくれた言葉は、”死というのはもう2度と会えないだけで、それ以上でも以下でもないから、それ以上苦しむ必要はないし、それ以下だって追いやる必要もない”」と伊集院さん。


本の最後は、ロシアのチェチェンを舞台にした映画のセリフで締められています。


  あなたはまだ若いから分からないでしょうが
  哀しみにも終わりがあるのよ。 

 

「ああ、これをあの時、20何年前に聞いていればなと思った。言葉ってやっぱりすごいね」

こう話す伊集院さんは現在、震災をテーマにした本の執筆を考えているそうです。震災後、なかなかペンをとれない書き手もいると言われていますが、との質問に対し、「小説家なんだから書くしかない。こういう状況の中で書けるとか、書けないとか滑った転んだ言っている場合ではない」と力強く答えました。多くの人が今聞きたい言葉を綴ってくれるに違いありません。

  

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