11月28日(水)放送
石黒浩さん
アンドロイド研究者・大阪大学教授

1963年滋賀県生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻教授、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)石黒浩特別研究室室長。工学博士。社会で活動できる知的システムを持ったロボットの実現を目指し、これまでにヒューマノイドやアンドロイド、自身のコピーロボットであるジェミノイドなど多数のロボットを開発。2011年大阪文化賞(大阪府・大阪市)受賞、12年志田林三郎賞(総務省)受賞。「世界が尊敬する日本人100人」(ニューズウィーク日本版/09年)に選ばれるなど、最先端のロボット研究者として世界的に注目されている。

「わたしを離さないで」
カズオ・イシグロ著、土屋政雄訳
(早川書房・ハヤカワepi文庫)

※以下の文章では、ストーリーの核心部分を一部、明かしています。あらかじめご了承ください。


小説「わたしを離さないで」(カズオ・イシグロ著)。31歳の主人公、キャシー・Hの一人称で物語はつづられていきます。キャシーが回想する、イギリスの田舎で過ごした牧歌的な少女時代。子供らしい友情や喧嘩。しかし、読み進めるうちに、実はサイエンス・フィクションであることが分かります。

「すごくいいのは、SFなのに、全くSFだと思わせない」(石黒さん)

物語が中盤に差し掛かるあたりで、突然、少女たちを待ち受ける過酷な運命が明かされます。主人公たちは、ある目的のために産み出され、老年を迎えることは無いという、クローン人間だったのです。

「彼女たちはそれでも逃げない。僕らよりはるかに覚悟ができている」(同)

石黒さんは、生き方に悩んでいる人にこそ、この本を読んでほしいといいます。
「クローン人間は、『裸の心』を持った人。生き方に悩む人は、ごまかし方を知らない、ほとんど『裸の心』の人。自分が何で生きているのか、この本の中に答えがあるような気がする」
「一生懸命自分探しして、一生懸命何かにしがみついて、そうやって切なく、みんな生きている」

石黒浩さんインタビュー(HP限定公開)

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平田オリザさん
劇作家・演出家

平田さんが「ロボットを使って演劇をやりたい」と考えていたときに、石黒さんは「ロボットを人間に近づけるために演劇を勉強したい」と考えていたといいます。そこで二人は意気投合し、「アンドロイド演劇」を作り上げました。「アンドロイド演劇は、今回の『わたしを離さないで』と似たような感覚をもたらします」と石黒さん。

石黒さんにとって、平田さんは「似た者同士で子供みたいな人」。
「自分のアート作品には絶対的な自信とプライドを持っている。でも勉強することに惜しみなく時間を使う。研究者と同じですよね」


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