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2012年6月25日放送

ユーロ動乱第2弾 揺れる通貨・・・その行方

沸騰現場の経済学

常に変化・進化を続ける世界経済。「未来世紀ジパング」取材団は、変化の起きている“沸騰する現場”に直撃取材!日本ビジネスマンが見たことのない世界の今をレポートする。
そして、スタジオでは遠くに思える世界の現場と日本の繋がり、さらには日本の未来にどう影響があるのかを分かりやすく、かつ専門的に解説。

ユーロ動乱第2弾 揺れる通貨・・・その行方

 沸騰現場は、ユーロ残留か離脱か・・・厳しい選択を迫られたギリシャ。5月に行われた総選挙ではユーロ圏に留まるための条件でもある緊縮財政に反対する勢力が躍進したが、6月17日に実施された再選挙では緊縮賛成派が過半数の議席を占めることとなり、ユーロ離脱の危機はひとまず遠のいた。しかし、問題は先送りされただけとの見方もある。
「未来世紀ジパング」は去年11月の放送(http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/backnumber/20111121/)に引き続き、ドイツ人の夫とギリシャ人の妻というユーロ夫婦に密着。国の命運を決する再選挙の影で、この夫婦と家族が下した決断とは?
 沸騰ナビゲーターは、前回に引き続き同志社大学大学院教授の浜矩子。半年前「単一通貨ユーロ消滅」という未来予測をした浜が示す新たな「衝撃の未来予測」とは!?

  • 次回予告画像1
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放送内容詳細

ドイツ人夫&ギリシャ人妻 密着!ユーロ夫妻の選択

 去年10月、アテネの街ではギリシャ史上最大と言われた50万人規模のデモが起き、デモ隊が暴徒と化してアテネの街は無惨に破壊されていた。そんなアテネで「未来世紀ジパング」が取材していたのは1組の夫婦。普段はドイツに住むドイツ人の夫シュテファンとギリシャ人の妻ゾーイ。2人は里帰りでギリシャを訪れていた。ギリシャでドイツ人のシュテファンが目の当たりにしたのは、妻の実家の面々の想像を超えた金銭感覚。「金もないのに飲んだり騒いだり、いったいこの国はどうなっているんだ?」と家族に怒りをあらわにしていた。しかし失業中の甥グレゴーリスは「第二次世界大戦の戦後補償をしていないドイツがギリシャを支援するのは当然だ」と開き直っていた。働き者のアリと浪費家のキリギリス・・・放漫財政を続けてきた"キリギリス"ギリシャと、そのギリシャに支援を続ける"アリ"のドイツ・・・・同じ構図がひとつの家族からも垣間見えた。
 それから半年。6月のギリシャでは銀行からの預金引き出しが相次いでいた。さらに、このままギリシャにいても仕方がないとバスに家財道具を積んで逃げ出す人々の姿があった。一方ドイツのベルリン郊外、シュテファンとゾーイは自宅にギリシャに暮らす甥グレゴーリスのために部屋を準備し、ドイツに呼び寄せようとしていた。そして説得のため、半年ぶりにギリシャを訪れた。半年前は失業中だったグレゴーリスだが、海辺のレストランでウエイターとして働き始めていた。店の1日の売上の10%が彼の取り分になるという契約だが、不景気のギリシャでレストランの客は少なく無給の日も多いという。
 そして再選挙の日、グレゴーリスと父は緊縮賛成(ユーロ残留)、母と兄と妹は緊縮反対(ユーロ離脱)と一家の選択は真っ二つに割れた。
 選挙後、ゾーイの説得でドイツ行きを決断したグレゴーリス・・・しかし父も母も反対だ。ドイツ語もあまり話せないグレゴーリスがドイツに行ってもいい仕事に就けるはずがないというのだ。グレゴーリスは果たしてどうするのか・・・

ユーロを捨てた港町・・・新たな通貨が生まれていた

そんな中、アテネから北へ車で3時間ほど走った港町、ボロス。この街では4月から新たな通貨テムが使われ始めていた。テムはいわゆる地域通貨だが紙幣や硬貨があるわけではない。いったいどうやって買い物をするのか? テムしか使えないという市場に行ってみると、買い物客は店から紙切れを受け取る。紙には買いたい物の値段、客の名前、店の名前が書いてある。それを市場の一角にあるテム事務局に持っていくと、ネット上に開設された客の口座から店の口座に値段分のテムが移される。これで支払いが終了したわけだ。テムの事務局に身分証を示せば誰でも会員登録でき、テムのサイトに口座が開設され、最初に300テムが口座に入る。では使うためのテムを稼ぐにはどうするのか?市場で野菜を売ったり、古着を売ったりして稼ぐのだ。失業してユーロでの収入がない人でも、日用品などを買うことができるというわけだ。さらにテムの口座には1200テム以上は貯めることができないので、積極的に使う効果も期待できる。テムは(1)ユーロを使わなくても生活できる、(2)地域経済の活性化が期待できるという2つのメリットがあるというわけだ。

NAVIGATOR

浜 矩子(同志社大学大学院ビジネス研究科教授)

1952年生まれ。一橋大学卒業後、1975年に三菱総合研究所に入社し、ロンドン駐在員事務所長、経済調査部部長などを務める。2002年より現職。専門はマクロ経済分析、国際経済。著書に「1ドル50円時代を生き抜く日本経済」「『通貨』はこれからどうなるのか」「EUメルトダウン 欧州発 世界がなくなる日」などがある。

【WEB限定】未来世紀ジパング 特別編

未来予測

ドイツ ユーロ離脱

浜矩子の未来予測は「ドイツ ユーロ離脱」。ギリシャにはEU・IMFなどから総額24兆円もの支援がされることになっているが、このユーロ負担分のうちのドイツが支払っている割合は何と33%。イタリアなど今後支援を受ける側の国がさらに増えればドイツの負担割合はさらに増える可能性がある。各国が寄ってたかってドイツの脛をかじるというようになっていくのは、「もうごめんだ。じゃあ、しょうがないから私のほうから出ていきます」とドイツが言い出すことになりかねない。そういう日が近づいているかもしれない。もともとドイツとフランスが二度とけんかをしないようにEUというひとつの“屋根の下”に入ったわけだが、そもそも、この発想が甘かった。無理矢理に身内にするとかえってギクシャクしてしまうという家族・人間関係のように、今、ユーロ圏内の国々がなっている。

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ご注意下さい

最近、「未来世紀ジパング」に出演できると持ちかけて、多額の金銭を要求する業者があるとの情報が寄せられました。
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