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2012年10月1日放送

世界に羽ばたく!ニッポンの技術④「日米 電気自動車 戦争」

沸騰現場の経済学

常に変化・進化を続ける世界経済。「未来世紀ジパング」取材団は、変化の起きている“沸騰する現場”に直撃取材!日本ビジネスマンが見たことのない世界の今をレポートする。
そして、スタジオでは遠くに思える世界の現場と日本の繋がり、さらには日本の未来にどう影響があるのかを分かりやすく、かつ専門的に解説。

世界に羽ばたく!ニッポンの技術④「日米 電気自動車 戦争」

 まだまだ強みを持ち、世界に挑む日本の技術を特集するシリーズ第4弾。
 今回は、電気自動車を取り上げる。
 世界の中でEV(電気自動車)の先頭を行くのは、日本メーカーだ。その中で販売数トップなのが日産。EVの量産車「リーフ」で攻勢をかけている。日本ではこれからという段階だが、意外に沸騰しているのが、アメリカ・サンフランシスコ。

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放送内容詳細

EVレンタカーが沸騰する沖縄

沖縄の那覇市で一際混雑している店がある。それはニッポンレンタカー。沖縄は公共交通機関がほとんどないため、観光客の半数が車を借りるためだ。
 そんな沖縄で今人気なのがEV(電気自動車)のレンタカー。ニッポンレンタカーも客の需要に答えようと、なんと100ものEVを用意していた。この数、全国一!EVを借りる観光客の多くが言うのが「EVに興味はあるけど、まだ新しい技術なので買うのに踏み切れない。だからレンタカーで試してみたい」。沖縄の沸騰ぶりはEVの明るい未来を予感させる…

サンフランシスコでも沸騰!

 世界の中でEV(電気自動車)の先頭を行くのは、日本メーカーだ。その中で販売数トップなのが日産。カルロス・ゴーン社長が未来を賭けて作った電気自動車リーフは世界の総売り上げが3万7300台と独走している。そのリーフが高密度で走っていると言われるのがアメリカ・サンフランシスコだ。確かに街を走っていると、その姿をよく見かける。中にはリーフのユーザーたちが月1回集る交流会まである。
 日本メーカーの一人勝ちとも思える電気自動車市場だが、ライバルも台頭してきた。その筆頭格が2003年に設立されたシリコンバレー発の電気自動車メーカー、テスラモーターズ。今年6月、テスラは電気自動車の量産車「モデルS」の納車式を行った。モデルSは華麗なデザインでも注目を浴びているが、さらに1回の充電で走れる最大航続距離も480キロと日本の電気自動車の2倍を超える。納車式の日、CEOのイーロン・マスク氏もやってきた。マスク氏はネット決済サービスのペイパルの創業者。そのペイパルを売却した資金で、2004年にテスラに参加し、わずか8年で今を時めく電気自動車メーカーに育て上げた。今やIT企業の総本山シリコンバレーから次世代型の自動車メーカーが台頭しているのだ。モデルSはその売り方も画期的だ。ディーラー店も郊外の大型店でなく、グッチやフェラガモが入ったショッピングセンター内に置かれている。さらにお洒落な充電器や、自分でデザインできるタッチパネルまで。従来型の自動車を買いに来る客より、高級ショッピングモールにやってくる客をつかまえる戦略に出たのだ。その甲斐あって、すでにモデルSの予約は1万2000台を超えた。今予約しても納車まで1年待ちの人気沸騰ぶり。

全米注目のEVレース…日本勢が躍進!

 EV車市場での日米激突。この夏、三菱自動車など日本の自動車メーカーは、コロラド州で開かれた伝統の自動車レース「パイクスピーク・ヒルクライム」にこぞって参加した。今年90回目の欧米では注目度の高いレースだ。山頂4301メートルまで標高差約1400メートル、距離約20キロを上っていく。コースは崖で転落したら命にもかかわる危険なレースでもある。しかも、急カーブが156か所。
 三菱自動車はこのレースに北米市場でのPRのため市販の電気自動車アイ・ミーブを投入。さらにその改造車アイ・ミーブエボリューションも用意していた。アイ・ミーブエボリューションはアイ・ミーブのパワーをアップさせた次の新車の開発のための試作車だ。過酷なコースを走れば走るほど、貴重なデータが得られるのだ。電気自動車が世界で加速し始めた今年、三菱、トヨタグループ、横浜ゴムそれに新興勢力タジマモーターなど、日本から総勢5台の電気自動車車が出走。過去最多の電気自動車レースとなった。予選のクラッシュ、本番の思わぬアクシデント…絶体絶命に陥った日本勢だが、最終的には、大躍進の結果となった!

NAVIGATOR

関口和一(日本経済新聞社 論説委員兼編集委員)

未来世紀ジパング3回目の登場。1982年一橋大学法学部卒、日本経済新聞社入社。88年フルブライト研究員として米国ハーバード大学留学。90~94年ワシントン支局特派員。96年産業部編集委員。2000年から論説委員として主に情報通信分野を担当。06年より法政大学大学院客員教授。著書に『パソコン革命の旗手たち』『情報探索術』(日本経済新聞社)など。

未来予測

2025年 3台に1台が電気自動車に

現在、新車の300台に1台が電気自動車であるが、13年後の2025年には、新車の3台に1台になると関口は説く。大きな理由は、電気自動車の価格の半分を占めるとされるバッテリーの価格。今後10年間で、5分の1から10分の1まで価格が下がると予測されているのだ。今400万の電気自動車を例にとると、バッテリーの価格が5分の1に下がれば、車両価格が大雑把に言って240万円で購入できる計算。十分にガソリン車と競争できる位置に立つ。
 また、GLDKという概念が生まれている。GはGarage(ガレージ)の頭文字を取ったもの。電気自動車と家の一体化を目指すスマートハウスだ。電気料金の安い夜間に電気自動車のバッテリーに電気を蓄え、家庭の電源として昼間に使用する。その結果、電気代を3分の1に節約する事ができ、更に2日分蓄える事ができる。さらに、余った電力を周りの人に分け合えば、スマートハウスからスマートタウンになり、スマートシティになり最終的にはスマートカントリーになのではないだろうか。電気自動車は、それだけ私たちの生活を変えるポテンシャルを秘めている。

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