「残業ゼロ」を目指す企業側と、労働者側...。日本人の労働のあり方を考える。<ガイアの夜明け>
ガイアの夜明け【ニッポン転換のとき"残業"やめられますか?】
放送日時:2017年5月23日(火)22:00~22:54
15周年企画「ニッポン転換のとき」第2弾。「残業ゼロ」を目指す企業側と、労働者側...。価値観の大きな転換点を迎えた今、改めて日本人の労働のあり方を考える。
戦後、"所得倍増計画"を果たし、奇跡とも言われる高度経済成長を遂げた日本。
その後に続く「バブル経済」に至るまで、原動力のひとつとなったのが、"モーレツ社員"の存在だ。連日、遅くまで働き、サービス残業も厭わないサラリーマンたちは、日本の急激な経済成長の大きな支えとなった。 しかし2016年、大手企業で起こった過労自殺事件をきっかけに、働き方を見直す動きが急速に進んでいる。

テレビのCMで「24時間戦えますか」とまで謳い上げられた日本人の働くことに対する価値観は、「残業ゼロ」という正反対の方向へ―。政府も企業の残業削減を強く打ち出し、日本はかつてない時代へ突入しようとしている。そんな中、企業の職場では「残業」をめぐる様々な思いが交錯している。
「残業ゼロ」を目指す企業側と、労働時間が短くなる一方、成果も求められる現場の労働者側...。価値観の大きな転換点を迎えた今、改めて日本人の労働のあり方を考える。

■"逆転の発想"で「ノー残業」を目指せ! ...上司と部下、すれ違う思い
多くの企業が「働き方改革」に向けた取り組みを進める中、全国に500店舗を構える紳士服業界大手「はるやま」が今年1月、あるユニークな残業削減プランを発表した。
それは、残業をしなかった社員に、『ノー残業手当』として一定の額を支給するというもの。
いわば"逆転の発想"から生まれた取り組みだが、実際に売り場を担当する社員たちに、思わぬ波紋を広げていた。
3月、はるやまの系列チェーン「パーフェクト・スーツファクトリー」を担当するブロック長・内山和彦さんが早速現場に指示を出したのは、商品の袋詰めや接客にかかる時間をなんと"秒単位"で削るというもの。
実は、紳士服店ではスーツだけではなく、カバンやベルト、靴などの商品もまとめて客に提案することから、接客時間は長い時には1時間近くになることも多い。
つまり、その時間を圧縮することで、これまで閉店後に行い残業の原因となっていた商品管理などの作業を、営業時間中に済ませるのが目的だという。
しかし...その内山さんの方針に納得がいかない社員がいた。
系列店で個人売り上げ1位を誇る、トップ販売員の百合草亮太さん。
丁寧な接客と売り上げの達成にこだわりを持っていた百合草さんは、時間に追われる仕事に次第にストレスを募らせていく。
そしてついに、百合草さんは内山さんを呼び出し、直接不満をぶつける。
「本当にノー残業は必要なのか?」部下の切実な訴えに、内山さんが出した答えとは―。
そして、「はるやま」が打ち出した『ノー残業手当』の行方は?
残業をめぐる上司と部下、それぞれの立場と葛藤を取材しながら「働き方改革」の光と影を描く。
■「残業ゼロ」の裏側で...家計に迫る余波
日本では、社員の残業を前提にした給与形態を採っている企業も多い。
そのため、残業がなくなり残業代が支給されないとなると、一家の家計にもたらす影響は少なくない。
そんな中、失われた"残業代分"を補てんしようと、「副業」を始めた人たちがいる。
その取材を通して、「残業削減」の余波を追う。

■脱残業へ...秘策は"PC強制オフ"!?
中国地方を地盤とする中堅スーパーのフレスタ。
その本部では、残業削減に向けて思い切った策を導入している。
それは、午後6時にPCの電源を自動的にオフにするというもの。
一方、この取り組みで浮いた残業代は社員に還元する計画で、今冬から、残業時間が少ない人ほど
賞与を増やす制度を始めるという。
果たして、成果を生み出すことはできるのか?
「ガイア」とは
ギリシャ神話に登場する「大地の女神」を意味し、後にノーベル賞作家のウィリアム・ゴールディングが「地球」を指して"ガイア"と呼んだことから「ガイア=地球」という解釈が定着している。「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉えることで21世紀の新たな日本像を模索すること、そして低迷する経済状況からの再生=「夜明け」を目指す現在の日本を描くという意味合いが込められている。
出演者
【案内人】江口洋介
【ナレーター】杉本哲太
関連情報
◆ホームページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/
