闇芝居 3期


都市伝説まとめ

『ジェットコースター』

2016年3月9日

友達数人で遊園地に来ている女性。
絶叫マシーンが苦手な彼女だったが、強引に友達に誘われ、ジェットコースターの列に並ぶ羽目に。
やがて後悔する彼女の気持ちをあざ笑うかのように順番がやってくる。
安全ベルトにより危険極まりない乗り物に体を固定された彼女たちは、カタカタと最初の傾斜を登っていき、高度が上がるにつれ体は硬直し始める。
「やっぱり無理矢理にでも断ればよかった…」
後悔だけが頭の中をグルグルと回る。


何とか気を紛らわそうと、メリーゴーランドやお化け屋敷など眼下のアトラクションに注目する彼女。
ふと何気なく見降ろした先に着ぐるみのキャラクターたちがショーを行うステージが目に入った。客席には次回のショーが始まるのを待ちわびている子供たちの姿が見える。
やがてついにジェットコースターは頂上に達し、徐々に加速し始める。思わず目をつむりそうになる彼女だったが一瞬、ショーのステージの裏側が見える位置に。
そこには華やかな衣装を着たショーのスタッフがグッタリと横たわっていて、何人かの動物キャラクターが群がり、まるで貪り喰っているように見えた。


「!」


次の瞬間、キャラクターたちは彼女の視線に気づいたようにゆっくりとこちらへ振り向いたような気がしたが、同時にジェットコースターは急降下を始める。


絶叫マシンの恐怖に襲われながらも、さっき見たシーンが頭に焼きついたままの彼女はステージ裏で何が行われていたのか気になって仕方ない。
途中、急カーブに差し掛かった時、再びステージ裏が見えるが、すでにキャラクターに喰われていたスタッフの姿はなく、何事もなかったかのように係員がそのあたりをモップで拭き掃除をしていた。


「…気のせい…だったのかな」


そのうちジェットコースターはガタガタとブレーキの振動を受けながら速度を落とす。
釈然としない気持ちは残ったが、おかげでジェットーコースターの怖さをあまり感じずに終わることができて良かったと思った。
もしかしたらショーの演目の練習でもしていたのかもしれない。


ジェットコースターが降り場へと近づくと、何十分も並ばされ、やっと自分たちの番が回ってきた客たちが期待に満ちた表情で待っていた。
やはり進んでこんなものに乗りたがる人の気が知れないと呆れる彼女だったが、列をなす人々の背後、見慣れないものが見えた。


そこには満面の笑顔を浮かべたキャラクターの着ぐるみたちが、いつもよりひと際陽気に手を振りながら彼女の乗ったジェットコースターを待っていた。



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