なかにし礼×阿久悠 昭和歌謡ライバル物語~名曲はこうして誕生した~
番組からのお知らせ
番組内容
昭和歌謡を牽引し歌謡曲の黄金時代を築いた作詞家、なかにし礼が2020年12月に旅立った。独自の世界観に基づく詞で、数多くのヒット曲を放ったが、その足跡を振り返る時、ライバルとも言える人物がいた。阿久悠である。年齢は阿久が1歳上だが、作詞家としてのデビューはなかにし礼の方が早かった。広告代理店のサラリーマンから放送作家になった阿久は歌番組の台本を書くときに、
なかにし礼が書いた詞が特に気になったと言う。ともに七五調の詞を否定し、独自の作風で歌謡界を席巻。日本レコード大賞はなかにし礼が3回。阿久悠は5回受賞。今回、二人の人生をヒット曲と共に紹介する。
ライバル関係――ライバルと言われた2人だが、阿久にはひとつの信念があった。それはひばりが歌えない歌を、なかにしが書き得ない詞を作ることだった。
その阿久が旅立った平成19年、なかにしは会見で「阿久悠は昭和であり、日本の象徴だった」「作品の最高傑作は『青春時代』(森田公一とトップギャラン)、『後から ほのぼの思うもの』なんてね、こう言われると、皆が納得しますよ。完成度も高く、何年たっても口ずさんでしまうでしょうね。すてきな歌です」と語った。
さらに、戦後、中国から引き揚げてきた自分の少年時代を振り返りながら「僕は中国生まれでよそ者。阿久さんの作品には、日本人が納得するフレーズがあった。
僕は歌によって日本との距離感を測りながらやってきた」。「(阿久さんの)アンチテーゼとしてやってきた。挑戦相手を失った気がする」とコメントした。
出演者
石川さゆり(歌手)
北原ミレイ(歌手)
吉田悦志(明治大学名誉教授)
紹介楽曲1
・今日でお別れ 菅原洋一
・また逢う日まで 尾崎紀世彦
・北酒場 細川たかし
・白い蝶のサンバ 森山加代子
・知りたくないの 菅原洋一
・愛のさざなみ 島倉千代子
・ざんげの値打ちもない 北原ミレイ
・石狩挽歌 北原ミレイ
・ジョニィへの伝言 ペドロ&カプリシャス
・天使の誘惑 黛ジュン
紹介楽曲2
・津軽海峡・冬景色 石川さゆり
・風の盆恋歌 石川さゆり
・浜唄 石川さゆり
・花蕾 美空ひばり
・われとわが身を眠らす子守唄 美空ひばり
・舟唄 八代亜紀
・ロマンス 岩崎宏美
・人形の家 弘田三枝子
・時には娼婦のように 黒沢年男
・北の宿から 都はるみ
紹介楽曲3
・青春時代 森田公一