2008年09月24日
『新しい季節』
9月も終わりが近づくと話題になるのが『今年も夏が終わったねぇ...』です。
そう、気がつくと樹木は色づき、風は秋らしい懐かしさの薫り。
『今年は海に行かなかったなぁ』『花火も見てないや』『スイカは食べたっけ?』
唯一の夏の影は、左腕に刻まれた『腕時計の日焼け跡』...
確かに今年の夏は、色々な場所に行き、たくさんの人に出会いました。
アフリカで見たのは、空前の経済成長と、最貧国の横顔。
北海道・洞爺湖で見たのは、厳戒態勢の警備と、少し迷惑そうなアスパラ農家のお年寄り。
北京で見たのは、世界の視線を意識する国家と、見えにくい国民性。
どこまで視聴者の皆さんに『現場の熱』を伝えられたのか。
ベストだったのか、ベターで妥協したのか。
この仕事を始めてから、一度も満足したことはありません。
この季節、テレビ局は改編時期になります。
そして『速ホゥ!』も終了です。
秋からのテレビ東京のニュース番組は、大幅に変わります!
午前は番組名『E-morning』として、
午後は番組名『FINE!』として、それぞれ時間も内容もパワーアップ!
私は『E-morning』で皆さんに情報をお伝えすることになります。
番組が変わっても、お客様=視聴者の皆さんに楽しんでもらえるよう、
ベストを狙います!
2006年から始めたこの日記。
つまらない内容選択や、私の文才の無さを露呈することになりました(汗)
少しでもテレビの裏側を感じていただけたらと思っています。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
これからもテレビ東京のニュース番組をよろしくお願いします!!
2008年09月05日
『北京五輪取材記(3)』
五輪の開会式は、『その国・そのとき』を表すといいます。
北京五輪の開会式には、確かに中国を凝縮したものが見えた気がします。
私が北京に到着したのが8月2日(土)。
到着して早速、五輪会場の『鳥の巣』に向かうと、『鳥の巣』や『ウォーターキューブ』を含む五輪施設のある敷地は完全に関係者以外立ち入り禁止。2メートルほどのフェンスで囲まれ等間隔に警察が立っています。
五輪前最後の土曜日、そしてこの日は開会式のリハーサルをやるということで、日が沈むにつれて、フェンスの周りには信じられない勢いで人が集まってきます。
それは野次馬というよりも、大群。
1000人、2000人レベルじゃない。数え切れません。恐怖すら感じます。
身動きが取れなくなるくらいの人の波にさらされていると、突然『鳥の巣』から花火が上がりました。と同時に大歓声。リハーサルが始まったようです。会場の中は遠すぎてまったく分かりませんが、花火だけは見えます。みなコレを目当てに集まっているのです。
しかし中には『何があるか知らないけど、みんなが歩いていたから、ついてきたんだ』のような人も。これは五輪期間中、街のあちこちで聞いた言葉。
現地の人の話では『中国人は人が集まっていると、どんどん集まっちゃうんだよ。理由も知らずにね』とのこと。好奇心なんでしょうが、人数の規模が大きすぎて慣れない日本人には脅威に感じます。
その、中国の人の波の集合体が、北京五輪の開会式に思えました。
様々な批判はさておき、私が会場で感じたことをそのまま記します。
メディアセンター『IBC』から『鳥の巣』に向かう途中、セキュリティチェックを2回通過します。ひとつは空港と同じ厳しいチェック。
私の後ろからやってきたアフリカのメディアが揉めていました。3m×1.5mくらいの国旗を持ち込むことに、セキュリティが難色。
この時期の北京では、横断幕や国旗などを競技場に持ち込むのは厳しい規制がありました。
アフリカのメディアに話を聞くと、『ただの旗だし、そんなに大きくないのに...』と困り顔。
結局、大きいものは持ち込めず、1m×1mくらいの国旗を持ち込んでいました。
とてつもない人ごみの中『鳥の巣』に入ると、各席に応援グッズなどの入った袋が置かれています。
中には、電飾灯・豪華なパンフレット・水・そして『風呂敷のような赤い布』など...
会場中に小刻みに配置されたボランティアが、応援グッズの使い方を観客に熱心に教えています。
開会式、開始。
観客9万人を超える『鳥の巣』は、異空間です。
日中、手元の温度計で40度を超える日でした。
夜でも非常に暑く、あっという間にシャツは汗だく。
二度と見られないであろう多くの人員を動員したチャン・イーモウの演出は、圧倒的。
しばらくして大きな地球儀がフィールドに現れたとき、ボランティアが『風呂敷のような布』を広げて、大きく振るようにと指示。
会場中で『風呂敷のような布』が揺れています。
会場全体で風呂敷が揺れています。赤い風呂敷です。会場が真っ赤に。
ほぼ同時に、フィールドの地球儀も、真っ赤に...
猛暑の中4時間以上の開会式だったため、心配なことも。
フィールドの中国人ダンサーやボランティアが倒れ担架で搬出。
脱水症状を起こしたボランティア青年がフィールドでフラフラしていると、係員が走りよって水を飲ませる。
選手たちは多くが座り込んで、耐え切れず帰る選手も多数。試合がありますからね...
深夜1時に開会式が終わり、フラフラになって『鳥の巣』を出ると、いつもは青い『ウォーターキューブ』が真っ赤になっていました。
当日は感動に震えました。
今も心に残る印象は、『人』『赤』『自己主張』です。

