|
日経スペシャル「ガイアの夜明け」 3月15日放送 第152回

「今 本を売りにゆきます」 ~純愛に泣くY世代を狙え~
「本が売れない」出版不況が叫ばれて久しいが、2004年の出版物(書籍/雑誌合計)の推定売上金額は前年比0、7%増の2兆2428億円となり、96年以来8年ぶりに前年を上回った。相変わらず雑誌販売は不振が続くが、書籍(主に文芸書)がミリオンセラーを7作も出し、出版業界の退潮傾向に歯止めをかけた格好だ。
大ヒットを読み解くキーワードは“ジェネレーションY”。団塊ジュニア30歳代=X世代の次の世代16~25歳を指し、新たな消費の主役として注目されている。例えば、Y世代に圧倒的に支持された「世界の中心で、愛をさけぶ」は320万部売れ、日本の小説の国内記録を塗り替えた。ゲーム世代で本などは読まないと思われてきた若いY世代が中心となり、純愛ブームという社会現象が生まれ、「いま、会いにゆきます」も100万部を売り上げた。この2作はともに映画化もされ大ヒットを記録した。そのヒットの裏で活躍していたのは、小学館の27歳の若手営業マン。ヒットメーカーが見たY世代の消費動向とは・・・
さらに、今や若い世代のコミニケーションツールとなった携帯メールから飛出した小説もある。援助交際をする女子高生がエイズで死ぬまでを描いた「Deep
Love」が、シリーズで250万部を売り上げた。作者のYoshiは、「今の作家は読者のことを考えていない」と言いう。Yoshiはサイトにのせた作品に寄せられる感想のメールを、次のストーリーにも反映させていくという。双方向でミリオンヒットを生み出す人気作家の最新作誕生までを追った。
一方、書く側にもY世代の台頭が目覚しい。去年の「芥川賞」は綿矢りさ(当時19歳)と金原ひとみ(当時21歳)が受賞したが、いずれもY世代だった。綿谷の「蹴りたい背中」が120万部を売上げたが、芥川賞受賞作が100万部を売り上げたのは、実に28年振りであった。実は、出版不況が長引いたのは、業界が新人発掘を怠たった末の、スター作家不在が原因だと指摘する声が強い。そんな中で注目されているのが、作家エージェントの存在。作家に代わって企画売り込みから印税の交渉まで行う代理人、鬼塚忠氏を取材。28歳の女性新人作家デビューまでの苦労を紹介する。
今回の「ガイアの夜明け」は、閉鎖的といわれる出版業界に風穴を開けようと奮闘する人たちの物語。売れる本を作り出す人々の活動に密着、活字離れをして久しい若い世代にいかに本を読ますのか、在野の“金の卵”作家をいかに発掘するのか、その様子に迫る。
○第132回「芥川賞」に密着し、候補者や受賞者の悲喜こもごもを取材
○老舗だが、文芸書を出して3年で「世界の中心で、愛をさけぶ」と「いま、会いにゆきます」の2册のミリオンセラーを出した小学館の原動力は!
○若い世代に絶賛され売上を延ばし続けている「Deep Love」の作者で正体不明のyoshiの活動を追い、彼が小説に込めたメッセージに迫る
○日本では珍しい作家のエージェント業務を始めた男が、新人作家を掘り起こし小説を書かせ、老舗出版社からデビューさせるまでを追う
|
|