日経スペシャル ガイアの夜明け・毎週火曜夜10時放送・闘い続ける人たちの物語
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日経スペシャル「ガイアの夜明け」 6月15日放送 第113回

<シリーズ医の底流2>街に名医がやって来た!

 日本の医療現場に大きな転換期がきている。病院数はここ10年で9%の減少、診療報酬の引き下げで8割の病院が赤字経営に陥っている。一方、国は病院と診療所の役割分担を進め、重症患者を病院の患者対象とし、軽症患者は地域の診療所へと促す。今後、地域の開業医への期待は大きい。こうしたなか、医師たちの開業意欲が高まっている。平成14年の開業件数は、5636件。地域の診療所というマーケットに、民間企業も新たな可能性を見出している。番組では、最前線で奮闘する医師たちや大手企業の動向などを取材し、地域医療の新たな方向性を探る。

内容

【広がる「医療モール」】

 新しい開業の形態として複数の医療施設が同居する「医療モール」が広がっている。この3月、京都にオープンしたショッピングセンター内の一角に、生活習慣病の予防治療に特化したクリニックモールが誕生。糖尿病治療の権威で知られる医師が中心となって、連携治療が可能な眼科や気功、健康食宅配サービス、歯科、薬局が並ぶ。大学病院に劣らない医療設備を導入し、最先端医療をショッピングモールという身近な場所で日常的に提供するのが大きな売り物だ。
さいたま市の埼京線南与野駅の高架下にも、医療モールが建設中。駅周辺の新興住宅地を意識した内科・歯科・耳鼻科・薬局が隣接するホームドクター型のモールだ。総合病院を辞めて開業しようという耳鼻科医師、竹森祐介さん(34歳)は、患者主義の診療所をつくろうと奮闘する。勤務医から開業医となって地域に飛び出そうという若手医師に、「医療の算術」という難しさが立ちはだかる。
医療モールという開業形態は、個人開業のリスクや費用が軽減できるため、開業を希望する医師たちの注目が集まっている。こうしたニーズを取り込んで開業支援ビジネスに乗り出す大手企業の動きも活発だ。

【ゼネコン、警備会社――異業種大手も乗り出す】

 大手ゼネコンの大林組。開業を希望する医師たちを集めてチームをつくり、希望する開業地やコンセプトにあったクリニックモール開設を目指す。これまでに蓄積してきたディベロッパーとしてのノウハウや不動産情報をもとに、箱もの建設からソフトを売るサービス業へと事業を拡げようとしている。ゼネコン不況からの活路を見出そうというのが狙いだ。そんな大林組のプロジェクトチームに大型優良物件情報が舞い込んだ。プロジェクトチーム結成以来、はじめての山場を迎える。初のクリニックモール開設は成功するのか?
さらにもう一歩踏み込んだ開業支援を行っているのは、警備会社のセコムだ。10年以上前から在宅医療向けの薬剤供給や訪問看護サービスを展開してきたセコムは、在宅医療に取り組もうとする医師の開業・運営支援を行っている。医療費削減のために病院の入院日数が抑制され、在宅医療を行う診療所整備が急務となっている。そんな現実に対して、国の対応は遅れ気味。民間企業の取り組みが先行している。

【「医者もサービス業」――奮闘する医師たち】

 在宅医療についての問題は山積している。しかしニーズがあれば、医師たちは、さまざまな問題解決に向かって奮闘しなければならない。東京・文京区の脳外科医・杉山弘行さん(61歳)は、1年前に開業。高額の医療設備も整えたが、地域ニーズのなかで在宅医療の必要性に気づく。脳外科医の頃とは打って変わって、痴呆老人や末期がん患者のもとに通う日々が続く。「病院では病気を治すが、診療所は病人を治す。病院を取り巻く環境を把握しないと治療にならない」。杉山先生の治療の大半は世間話だ。「医者が特別であるわけがない。スーパーや八百屋と同じ、医者もサービス業ですから」。
保険医療の破綻、医療費負担の増加という現実のなかで、厚生労働省は患者を病院から街へと送り返し、在宅で開業医の医療を待つ人々が増加している。そうした日本医療の未来をみつめて“医は仁術なり”の開業医の復権を問う。






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