| 日経スペシャル「ガイアの夜明け」 6月5日放送 第266回

シリーズ“食を問う” 「食料争奪戦 ~ニッポンの食卓に忍び寄る危機~ 」
マヨネーズ最大手のキユーピーが、6月からマヨネーズを17年ぶりに約10%値上げし、味の素も自社のマヨネーズ商品の価格を引き上げる方針を発表している。これはマヨネーズの原料となる大豆油などの価格が高騰しているためだ。また、大豆を原料とする食用油なども引き上げられる方向だ。さらに世界的に100%のオレンジジュースなど果汁飲料の値段も上昇している。
実はそれら食品の高騰の一因が、「エタノール燃料」の需要増加だという。
一体、今、世界の食料業界で何が起きているのか?
石油に変わる燃料として注目されるエタノールなどの「バイオ燃料」。
アメリカでは続々とエタノールの工場ができるなど、世界で本格的に普及し始めている。エタノール燃料の原料となるのが「トウモロコシ」「さとうきび」などこれまで食料として作られ、食べられてきたものだ。「バイオ燃料」の原料として「トウモロコシ」や「さとうきび」の需要が高まるにつれ、大豆農家やオレンジ畑農家は「トウモロコシ」が儲かるとみて、続々と転作しようとし始めている。それによって、大豆やオレンジの生産が減るとの思惑から、価格が高騰しているのだ。そのため原料となる大豆の高騰で豆腐メーカーも大きな影響を受け始めている。
日本のある豆腐メーカーは契約している中国の大豆農家からこう告げられた。
「大豆の生産をやめてトウモロコシの生産を始めるかもしれない・・・。」
バイオ燃料の需要拡大をきっかけに世界各地で激しさを増す食料の争奪戦。
それによってニッポンの食卓に忍び寄る危機。
原料高騰で苦闘し、付加価値の高い新商品の開発に生き残りを賭ける豆腐メーカーや
食料の確保に奔走する大手商社などの動きを通して食料争奪戦の今を追う。
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アメリカ・中西部の穀倉地帯では、アメリカ政府が地球温暖化対策の一環でエタノール生産を奨励したため、エタノール生産工場の建設ラッシュが始まっている。
そのため、原料となるトウモロコシは高騰。そして農家は、他の農産物の作付けを減らし、売れれば儲かるトウモロコシにシフトし始めている。農家たちは常に農作物の市況をチェック、一番儲かる作物を生産しようとしている。
中には、今からトウモロコシを大量に備蓄し、価格の上がった瞬間に売り出そうと狙うアメリカの輸出会社もあった。
その状況に困惑しているのが、食料輸入大国・日本の大手商社だ。食品メーカーに大豆を調達している、三井物産の食品大豆調達チームは、アメリカの大豆集業者から
「アメリカは空前のコーンラッシュに沸く。日本向けの大豆を調達するには、さらに高い価格を提示しないと難しい」との報告を受ける。
アメリカ・中西部アイオワ州で、商社マンたちは農家を奔走。日本のために、大豆を作って欲しいと現地の農家に訴える。しかし、儲かるトウモロコシを前に、農家たちの反応は…。
激変する食料調達の現場で、いま、何が起きているのか。ニッポンの商社マンの悪戦苦闘を追う。
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日本国内で豆腐に使う大豆の量は、年間約50万トン。このうち、国産はわずか7~8万トンにすぎない。多くは、アメリカ産とカナダ産で、約40万トンを占める。
現在、1トン15万円~25万円の国内大豆相場は、北米産の2~3倍の価格もする。
絶対量の少ない国内産大豆だけでは間に合わず、海外での大豆確保が各メーカーの至上命題だ。
原料調達が厳しさを増す中、05年の日本の豆腐店は、1万3452軒。2000年比べ、
約15.9%減った。原料の調達コストと、大手スーパーに客を奪われ、町の豆腐店は
厳しい局面に立たせられている。
そうした中、青森県に本社を構える、業界シェアトップの太子食品は、中国・吉林省の奥地で新種大豆の育成を始めている。緑大豆と呼ばれる、緑色の大豆は葉緑素を多く含み、
ベータカロチンなど緑色野菜に似た成分を持つことが分かった。こうした付加価値の高い大豆を独自に調達し、新商品開発に結びつけ高い価格で売る・・・。原料高騰で生き残りをかけた、戦略に打って出ようとしていた・・・。ところが・・・。
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豆腐業界に吹き荒れる逆風の中、それを跳ね返そうとする猛者もいる。
「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」で、ヒットを飛ばした男前豆腐店だ。型破りなパッケージと、巧みなマーケティングで、1丁300円という「高級豆腐」路線を築き上げたことで知られる。
その「男前」が原料となる大豆高騰の中、今後の戦略をどう考えているのか?厳しい原料調達を乗り越えた先に勃発する、豆腐をめぐる販売合戦。他の食品メーカ-にも起こりうる事態を、豆腐メーカーを通じてドキュメントしていく。
【この番組に登場予定のレスター・ブラウン氏のインタビューが
「NIKKEI NET」に新設された環境サイト「日経Ecolomy(エコロミー)」に掲載されています。
番組とあわせてお読みください。】
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