| 日経スペシャル「ガイアの夜明け」 8月28日放送 第278回

2週連続特別企画 "中国は今" 第1回 “ニセモノ大国”の実態
北京オリンピックまであと1年となったが、様々な問題で今、中国が揺れている。ニセモノ・コピー商品、そして食の安全の問題。ガイアの夜明けではこれらの問題を2週連続の特別企画で放送する。第一回は「ニセモノ商品の製造の実態」。中国の古くて新しい問題だ。
中国で作られた、偽造品の被害が拡大している。去年1年間で、日本の税関における知的財産侵害物品の輸入差止め件数は、前年と比べ46%もの増加となったが、そのうちの約半数が中国から入ってきたもの。そうしたニセモノによって多くの日本企業の製品が損失を被っている。問題は、知的財産権に対しての現地の意識がまだまだ低いことにあり、日本企業の知財担当者は苦慮しながら、ニセモノ退治に奔走している。
番組では、中国国内にある、ニセモノ市場やニセモノ製造工場への潜入取材を敢行。精巧なニセモノが大量に作られ、世界中に流通していく驚愕の実態を追った。
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| 【ゴッホ・ピカソが1枚900円? 中国のコピー村】 |
経済特区として知られるシンセンに、「中国一の油絵村」と呼ばれる村がある。ここには、約3000人の画工が住み着き、世界の名画を見ながら日々複製作りに没頭している。年間生産量は、数百万枚。欧米など世界中に輸出し、村の発展を支えている。大口の注文が来れば、10数人の流れ作業が始まり、「山」「空」「川」などそれぞれのパーツを担当し、ひたすら書き続けるという圧巻の光景…。しかし、画工たちの著作権に対する認識は低く、著作権の保護期間が切れていない作品の複製が並ぶ。明らかに著作権違反なのだが、現場の画工たちは「注文を受けて書いているだけ」と、全く気にしない。
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時計業界・大手のセイコー。年々急増する、中国の模倣品対策に頭を悩ませてきた。模造品による知的財産権の侵害を監視している、企画部の田中さんは、現地の調査会社と協力しながら日々、「ニセ時計情報」収集に奔走している。セイコーの場合、模倣品の殆どが中国製だ。たとえば、定価5万円程度の時計の模倣品は、中国での卸売り価格は3千円程度。被害総額、件数などは見当がつかないくらいだという。そして、見た目ではホンモノと区別がつかないほど、年々精巧になるニセモノに、田中さんは危機感を強めていた。7月中旬、時計メーカーの工場が集まる中国のある地域に飛んだ田中さんは、新たなニセ時計を発見。果たして、有効な対策を打てるのか…。
一方、取材班は日本や欧米ブランドのニセ時計の製造現場に潜入。そこで働いていたのは、10代の少年少女たち。アパートの一室で黙々と、ニセモノ作りを続けていた…。この地域ではホンモノの時計を作る工場が、夜になるとニセモノ作りを始め、バンドやハコなど、各パーツごとにニセモノ業者が存在するという。「ニセ時計」作りが産業として成り立っている、驚愕の実態があった。
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世界最大の製薬会社ファイザー社の、ベストセラーの医薬品と言えば、ED治療薬のバイアグラだ。だが、世界69カ国で「ニセモノがホンモノの2,5倍」も出回っているという。日本では、去年だけで約14万錠の偽バイアグラが押収されていた。偽バイアグラ蔓延の背景にあるのは、ネット販売の拡大。バイアグラは国内では、医者の処方がなければ購入できないが、薬事法では個人で服用する薬の個人輸入は認めている。個人輸入代行業者がインターネット上に氾濫し、偽バイアグラの氾濫を助長しているのだ。
そして、偽バイアグラの最大の製造拠点が、中国だ。中国では、アパート一室を使った、劣悪な環境の密造工場が続々と摘発されている。日本の密売組織はこうした工場から1錠数十円で大量に仕入れ、それを1錠1000円前後で売りさばいていると見られている。知的財産権の侵害に留まらず、健康被害の懸念もあることから、ファイザー社の日本法人では、偽バイアグラへの情報収集を強化。セキュリティ・オフィスと呼ばれる専門部署が、独自に偽バイアグラの日本流入阻止に動いている。
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