| 日経スペシャル「ガイアの夜明け」 2月12日放送 第301回

医療格差をなくせ!~最先端 遠隔医療の可能性~
今、医療現場が荒廃している。医師不足が加速しているのだ。
例えば、産婦人科の医者はこの10年で約15%、外科医は約8%も減少している。これによって、都市と地方の医療格差がますます広がっているのだ。儲からない診療科は減らされ、産婦人科や小児科のない町も出てきているし、さらに病院が一つもなくなってしまった島もある。また、地方では高度の医療を受けられなくなってきている。
こうした「医療格差」を無くすにはどうすればいいのか?
実はそうした状況を改善する手段として「遠隔医療」が注目を集めて始めている。
遠隔医療とは、ITネットワークを活用した最先端の医療。
ブロードバンド回線で送られた画像を見ながら、遠く離れた患者を大きな病院の専門医が診断したり、手術用のロボットを遠隔操作して患者を治療するというものだ。
番組では、遠隔医療で目の治療に挑む失明寸前の患者に密着するとともに、
研究の最前線を取材。未来の医療の可能性に迫る。
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北海道・焼尻島。人口300人ほどの小さな島が、去年6月大きく揺れた。
医師不足のため、医師が一人もいなくなる危機に陥ったのだ。
それまでいた、たった一人の医師が北海道内の市立病院に赴任せざるを得なくなったが、後任の医師が見つからなかった。
そこで、北海道庁の職員だった貞本晃一さんが赴任することになった。
貞本さんは医師免許を持っていたが、行政官として道庁で医師の人事を行っていた。派遣する医師が見つからず、自らを島に派遣する人事を行ったのだ。
島には高齢者が多い。島民は、貞本さんだけが頼りだ。
貞本さんは、「医師がいなければ無人島になる・・・」と言う。
全国に広がる医師不足の現状を追った。
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医療格差が広がっているため、地方では大学病院レベルの高度な医療を受けることは難しい。北海道の最北端の市、稚内に住む50代の女性は、糖尿病が原因で目がほとんど見えなくなった。左目の視力は0.04、右目も0.3。病気が見つかった時、もう少しで失明してしまう危険な状態だった。
しかし、女性が住む稚内にはその病気を治療できる専門医がいなかった。治療を受けるためには、旭川か札幌の大学病院に通わなければならない。稚内から一番近い旭川の大学病院までは、バスで5時間ほどかかる。目がほとんど見えない患者にとって、負担は大きい。そこで、遠隔医療を行うことになったのだ。
旭川医大は、国内42ヵ所、国外4カ所の医療機関とブロードバンド回線を使ってネットワークを結び、全国に先駆けて遠隔医療に取り組んで来た。稚内市から250キロ離れた旭川医科大学病院の専門医がテレビ画面に映る女性を診断。はたして患者の目は見える様になるのか?
遠隔医療に挑む患者と医師に密着した。
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ロボットを使って、遠く離れた場所にいる患者を手術しようという研究も始まっている。
東京大学の光石衛教授は、遠隔手術ロボットを開発した。執刀医が操縦かんを操作すると、ブロードバンド回線を通じて、離れた場所にある手術室のロボットが動く。実用化すれば、“ゴッドハンド”と呼ばれるような「名医の手術」をどこにいても受けられるようになるかもしれない。研究が進む未来の医療の可能性を追った。
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産科は特に医師不足が深刻だ。
岩手県の遠野市には、およそ6年前から医師不足のために出産できる施設がない。
そうした中、遠野市は去年の12月から新しい試みを始めた。
「ねっと・ゆりかご」と呼ばれる新しい助産院をオープン。盛岡や釜石など産科医がいる9つの病院と連携し、妊婦の遠隔健診を行っている。
「ねっと・ゆりかご」にいる助産師が胎児の心拍数などのデータを連携先の産科医に電送。産科医がパソコンだけでなく携帯電話でもそのデータを確認できるため、すぐに対応できる仕組みだ。番組では、出産を控えた女性に密着。
岩手県で始まった新しい試みの可能性に迫った。
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実は「がん細胞」かどうかの診断は「病理医」と呼ばれる高度な知識を持った専門医が行うのだが、そうした専門医は大学病院など大きな所にしかいない。
そこで北海道の名寄市立総合病院は、大学病院と結んだITネットワークを使うことで「病理医」にがんの顕微鏡画像を送信し、手術中に診断してもらう試みを始めていた。
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