日経スペシャル「ガイアの夜明け」 8月5日放送 第326回

“昭和レトロ”が人と街を救う
いま昭和の街並みを再現した“昭和レトロ”がブームとなっている。観光地、テーマパーク、居酒屋など、さまざまな場所で“昭和レトロ”をテーマとするスポットが増えている。
こうした“昭和レトロ”を様々な分野で活用しようという動きが出てきている。
例えば、住民の高齢化で活気を失いつつある団地の商店街に“昭和レトロ”の情景を再現し、街を活性化させようという全国初の取り組みだ。
さらに、医療の現場でも“昭和レトロ”が活用され始めている。
高齢化に伴い、日本全国で認知症の方の数は年々増え続けていて、2005年には約170万人。今後益々増え続け、2025年には300万人を超すと予想されている。そのため認知症に対する効果的な治療法の確立が望まれている。
そうした中、昭和の時代の懐かしい風景や道具を使って、記憶をよみがえらせ、認知症の治療に役立てる「回想法」という療法が、いま注目を浴び始めている。
中には千葉県千葉市の総泉病院のように、なんと病院の一角に、昔懐かしい駄菓子屋や、貸本屋など昭和のお店を作り、治療に役立てようとする病院も現れた。
平成という今の時代に、“昭和レトロ”を使って、人や街を救おうとする取り組みを追った。
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お台場のレトロテーマパーク「台場一丁目商店街」をはじめ、横浜の「ハイカラ横丁」など、多くのレトロショップを手がけるサンライズエンターテイメント。
この会社が今度は“昭和レトロ”で寂れた団地の商店街の再生に乗り出した。
現在、日本の団地やニュータウンでは、高齢化が進み、商店街もシャッターが目立ち、活気を失っている。
そこで、埼玉県・志木のニュータウンで、“昭和レトロ”の店をテコに、街ができた当時の記憶を呼び覚まし、部屋にこもりがちな高齢者に外に出てきてもらい、団地の商店街を活性化しようという取り組みが始まった。果たしてうまくいくのだろうか?
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千葉県の総泉病院では、病院の一角に「思い出ミュージアム」という昔懐かしい昭和の街並みを再現した。これは認知症の治療方法のひとつである「回想法」というもので、過去の建物や風景、おもちゃなど、患者が「懐かしい」と思うものに触れさせることで、記憶を蘇らせ、認知症の治療に役立てるというものだ。 その取り組みをドキュメメントしていく。
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