日経スペシャル ガイアの夜明け・毎週火曜夜10時放送・闘い続ける人たちの物語
テレビ東京ホームページへ


HOME
番組紹介
キーワードで読むガイアの夜明け
バックナンバー
ご意見ご要望・FAQ

バックナンバー


高いものにはワケがある ~消えゆく ニッポン伝統の味を守れ~




 放送スケジュール



 毎週火曜日 午後10:00~



 テレビ東京
 テレビ大阪
 テレビ愛知
 テレビ北海道
 テレビせとうち
 TVQ九州放送



 毎週金曜日午後9:00~
(再放送 毎週日曜日 正午~)



 BSジャパン



 毎週土曜日 正午~



 日経CNBC

日経スペシャル「ガイアの夜明け」 12月2日放送 第342回

高いものにはワケがある
~消えゆく ニッポン伝統の味を守れ~

食品の世界では機械化や効率化が進み、大量生産による低価格が実現され、私たちの生活はとても便利になった。手軽な値段でおいしいものが食べられるというのはやはりうれしいことである。
しかし、その一方で、日本伝統の食品製法というものが廃れ始めている。例えば、海苔の「天日干し(てんぴぼし)」。かつての日本の海苔の生産は日光にあてて乾燥させる「天日干し」が当たり前だった。しかし昭和30年代から始まった機械化で海苔の生産は自動化され乾燥も機械でやるようになった。こうして、今、日本では「天日干し」で海苔を作る人はほとんどいなくなり、廃れてしまおうとしている。
こうした食材は海苔ばかりではなく、日本全国で伝統の製法が存亡の危機である。
生産される量が少なく、価格も高いため、スーパーや小売店に商品を置いてもらえないためだ。
そこで、その「製法の特長」と「なぜ高いか?」をきちんと伝えながら、新しい売り方も考え、伝統の製法を残していこうという取り組みが始まっていた。
その仕掛け人の一人が名古屋市にある「熊野屋」というお店。創業は享保という老舗。お店には全国のこだわりの食材が置かれている。11代目の主人は言う。「昔の日本で当たり前に作っていた食品を取り戻したい」主人自ら生産者のもとに行き、二人三脚で伝統の製法を残していこうと奔走している。
一方、昔ながらの農法を残していこうという動きが滋賀県高島市で始まっていた。つまり農薬を一切使わずにメダカやカエルなどの生き物が生息する田んぼを作り、昔ながらの農法で安全な米を作ろうというのだ。しかし手間がかかる上、収穫量も少ない。そのため値段も高くなる。どうやってこの米を売っていくのか?考えたのは「究極のごはんセット」というものだった。いったいそれはどんなものなのか?
ニッポン伝統の味を後世に伝えていこうと頑張る人たちを追う。


【絶滅の危機…幻の“天日干し海苔”】

かつて、日本での海苔の生産は、日光に当てて乾燥させる「天日干し」(てんぴぼし)が主流だった。しかし、昭和30年代後半から始まった大型機械導入により板海苔の生産・乾燥は全自動化され大量生産が可能に。コストや手間暇が大きくかかる「天日干し」は急激に減少したのだ。
「天日干し」は香りや旨み成分が良いと言われているが、機械乾燥した海苔に比べ、見た目が落ちる上に、価格も高いため、スーパーや小売店でもあまり置いてもらえず、なかなか売れないのだ。
そんな中、市川市にある「福田海苔店」の2代目福田武司さん(37)は、「天日干し」の海苔を復活させようという試みを始めている。福田さんは、「本当の海苔の旨みというものを消費者はわかってくれていないし、もちろん採算なんてとれないですが、日本の良質な海苔の味をたくさんの人に知ってもらいたい。」と話す。果たして、「天日干し」は後世に残されるのか・・・?


【ニッポン伝統の味を守れ… その仕掛け人とは? 】

名古屋市東区にある「熊野屋」は、江戸時代の享保から続く老舗店。
創業時は、油商として生計を立ててきたが、30年前から調味料をはじめとした食料品の販売を開始した。「熊野屋」に並ぶ食材は、全国各地のこだわりの逸品ばかり。
純国産の大豆を使用した醤油や味噌、五島列島の純粋天然塩、沖縄の離島でつくられた純黒糖まで。すべて昔ながらの伝統製法で作られた食品ばかり。どれも大量生産のものよりは割高だが、今ではその評判を聞きつけ遠方から買いにくる人も増えてきた。

その食材を取り揃えるのは、11代目主人の熊田博さん(59歳)。
「昔の日本で当たり前につくっていた食品を取り戻したいだけ」と、話す熊田さん。
店頭に並ぶ商品は、自らその生産者のもとへ足を運び、作り方からもすべて自分で把握している。
「僕の役目は、良い食品の販売を通して、食品の正しい知識、情報の伝達に務め、生産者と消費者を結ぶこと。小さくてもこういう店が全国に増えればちょっとは、日本が変わるんじゃないかと思ってるんですけどね。」と語る。

20年ほど前から熊野屋に味噌を置いてもらっている「東海醸造」(三重県・鈴鹿市)は、約300年間、日本伝統の製法で味噌を作っている老舗の蔵。しかし、職人はわずか2名。
手間ひまがかかる分、販売価格は高額で、500g 800円。大量生産の味噌と比べ、約2倍だ。
その伝統の味噌をなんとか広めたいと考えた熊田さんは、「家庭でも簡単に作れる味噌」を提案。300年間、蔵で育った極上の麹菌(こうじきん)がついた大豆をツボとセットにして一般家庭に売り出そうというのだ。
「昔はあたりまえの様に自分の家で味噌作りをしていたもの。自分で作ることで興味も湧いてくると思うし、何より作り手の苦労がわかってもらえる。」と熊田さん。
果たして、大量生産の食品が氾濫する今の世の中で、昔ながらの味噌は受け入れられるのか?


【食物連鎖を米づくりに生かす…“生き物 田んぼ米” 】

滋賀県高島市。「近江米」で有名なこの地で、地元の農家のグループが市と協力して「たかしま生き物田んぼ米プロジェクト」というものが始まっていた。メダカやカエルなど多くの生きものが生息する昔ながらの田んぼを復活させようというのだ。
カエルが稲の害虫となる虫を食べ、それらを食べにチュウサギが飛来する。そしてチュウサギの糞が天然の肥料になる・・・という「食物連鎖」を使って、一切農薬を使わない米が出来るという仕組みだ。
しかし、手間がかかり、収穫量も通常より少ない。よって米の販売価格は精米したもので、5㎏ で約3,500円。通常の約2倍だ。
昨年から少しずつ販売を始めてはいるが、固定客はいるものの高額のため受け入れ先は少ない。そこでプロジェクトチームは、「究極のごはんセット」というもので売り上げを伸ばそうと試み始めた。いったいそれはどんなものなのか?


   




Copyright (C)2002-2004 TV-TOKYO / TX-BB. All rights reserved.
PAGE TOP



このWEBサイトに掲載されている文書・映像・音声・写真等の著作権はテレビ東京に帰属し、個人で楽しむ目的以外に、許諾なく複製・頒布・貸与・上映・有線送信等を行うことは法律で固く禁じられています。