日経スペシャル ガイアの夜明け・毎週火曜夜10時放送・闘い続ける人たちの物語
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新商売で逆境に挑む~不況の中にチャンスを探せ~




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日経スペシャル「ガイアの夜明け」 1月27日放送 第350回

新商売で逆境に挑む
~不況の中にチャンスを探せ~

かつてない急激な景気後退は消費者にも大打撃を与え始めた。人々は外食を控えて家でご飯を食べるようになり、不必要なものを買う恐れがあるからと外にも出ない…。いわば1億総〝巣ごもり〟状態だ。消費者のこうした行動は、外食大手チェーンの業績を急激に悪化させて店舗閉店に追い込み、街の小売店からは買い物客がいなくなった。固く閉ざされる消費者の財布の紐・・・。そんな逆境に挑む中小店があった。その鍵となるのは、逆境を逆手に取る発想と、技術革新を取り入れる姿勢だ。




【大手外食チェーンの撤退・・・実はチャンスなんです】
大手焼肉屋チェーンのとある店舗。年末年始の繁忙期の売上げは10万円程度と、1年前に比べて半分以下の数字だった。リーマンショック後の去年秋ごろから急激に客足が遠のいたという。そこで本社が決断したのが、閉店。急激に進む景気後退なだけに、赤字店舗をいつまでも抱えていては体力がもたない。早く見切りをつけて、多くの客獲得を狙える店舗に力を入れる方が得策だと考えたのだ。
そこにやってきたのが「M&Aオークション」。閉店する店舗を"居ぬき"の状態でネットのオークションにかけるのだ。通常、閉店の際には、借りた時の状態にもどすため、数百万円のコストがかかってしまう。しかし、ここの仕組みを活用すれば、椅子やテーブル、厨房など店を営業していたままの状態でオークションにかけることで、逆に数百万円の儲けが出るというのだ。 
新たに店を出したい人にとっても、出店費用が10分の1程度と安く済むというメリットがある。そんなメリットを生かして、新規参入をしようという人も、実は少なくない。この不況下で外食に挑もうというのはどういう人たちなのか…。現場をのぞいてみると、去年サブプライムローン問題で世間をにぎわせたアノ会社の元社員がある物件に興味を示していた。果たして勝機はあるのか?!



【好調・楽天・・・ネット販売で不況を乗り越えろ!】

消費不況が深刻化する中、唯一好調なのがネット販売だ。外出せずに欲しいものだけを吟味して安く買える。消費者の生活防衛志向にマッチして市場規模は拡大の一途。巨大ショッピングモール「楽天市場」を展開する楽天はこの12月期、過去最高の売り上げを記録した。
宮城県石巻市にある「靴のシナガワ」。石巻駅前の商店街で4代続く靴店だが、店を訪れる客は1日わずか数人。だが実はこの店、月1000万円を売り上げる優良店。楽天市場のインターネットで靴を売っているのだ。
「履かずにネットで靴を売っても無理だと思っていた」。
一時は年商が2000万円にまで落ち込み、働きに出ることも考えたという品川さん。ネット販売が店の窮地を救った。店では71歳になる母親が、「こんなに買ってくれてありがたい」と言いながら、せっせと靴のお手入れ用品を発送する作業をしていた。それにしてもなぜ品川さんの店の靴が、ネットで売れるのか。
こうした中、ネット販売に活路を見出そうと急きょ「出店」を決めた企業も現れている。福井県鯖江市にある「三興」は、偏光レンズの加工メーカー。鯖江はメガネの産地として有名だが、安い中国産との競争で鯖江のメガネ産業は壊滅状態に。三興は、中国への輸出で生き残りを図って来た企業だったが、それもこの不況で受注が急激に減っているという。このまま手をこまぬいていては倒れてしまう――。これまで小売りはしていなかった三興だが、活路を見出すべく楽天市場に出店を決めた。出店は1月20日。時間はない。年明け早々、品川駅に三興の土橋(61歳)が降り立った。楽天出店のための勉強会に参加するためだ。三興は、偏光レンズをフレームメーカーに卸すだけで、最終商品を作っていなかった。だが、楽天出店のためにメガネを新たにデザインして売ろうと準備していた。ネット販売で、部品メーカー自らが小売り店を始めるのだ。出店まであと1週間…。休日も会社に出てページ作成をする土橋。果たして間に合うのか?中小メーカーの生き残りをかけた挑戦が始まった。



【高齢者も集うネットスーパー】

不況に強いネット販売の仕組みを取り入れようと、スーパー各社も乗り出した。それがネットスーパーだ。最大の課題は、インターネットに馴染みのない高齢者にどうやったら使ってもらえるかだ。その課題を克服して売り上げを伸ばしているスーパーがある。三重県四日市市の「スーパーサンシ」。三重県北部を中心に17店舗を持つスーパーマーケットだ。年末で賑わう店舗の裏では、宅配用の商品が次々と仕分けられていた。
「鶏肉298円、しゃぶしゃぶ用牛肉3500円…」。
店で売っているものは何でも買えるのが特徴。サンシの売りは生鮮食品の鮮度の高さ。特殊な保冷箱を使って、肉や魚を詰めていく。小林さん(34)はこの店のネットスーパー担当者。今では店のおよそ13%をネットスーパーで売り上げている。サンシのネットスーパーで一番規模の大きいこの店を任されているとあって、いつも売上が気になる。
サンシのネットスーパーにとって、大切な利用者が高齢者だ。だがパソコンができない高齢者をどう取り込んでいるのか―?そのヒントは、昔の御用聞きの発想にある。81歳の藤田さん、買い物はほとんどネットスーパーを利用しているという。「便利ですねえ」。店に来られなくなった高齢者だけでなく、子供のいる主婦や、買い物する時間のない働く若い世代も利用しているという。
「安いのは当たり前。いい商品も当たり前。安くていい商品を、お届けする。これはまだどこもやっていない」。すでに採算ベースに乗せたサンシだが、将来は店舗での売り上げと同じくらいになると予測する。


   




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