日経スペシャル「ガイアの夜明け」 9月1日放送 第381回 “手作り食”が消費を動かす ~「作ってみたい」を応援する新ビジネス~
食に対する安全志向と節約志向とが重なって、「手作り食」の市場が拡大を続けている。自分で作れるものは作りたい、そんな消費者の志向に応える新ビジネスも、急成長している。 レジャー感覚で野菜作りを楽しんでもらえるよう、貸し農園をビジネスとして運営管理する企業も現れた。そこには、耕作放棄地となって荒れ果ててしまった農地を再生させたいという、若き社長の熱い思いがあった…。一方、手作り料理のレシピを紹介するホームページは、ひと月に680万人が利用するという人気ぶり。この“助っ人”サイトの人気の裏には、主婦たちを惹き付ける様々な“仕掛け”が。売り上げ拡大につなげたい食品メーカーと取り組む、新たなビジネスとは――? 不況をきっかけに急速に広がった「手作り」だが、一つの生活スタイルとして定着し、新たな消費を生み出し始めている。いかに消費者の心を掴む「手作り」を提案できるのか?手作りビジネスの挑戦を追う。
食の安全志向に加え、不況による節約志向の高まりで、自治体が管理する市民農園はこの5年で16%増、全国に3200ヵ所にまで増えた。こまめな手入れが大変で初心者には難しい野菜の収穫だが、管理スタッフが手を貸すことで、楽しみながら農作業できるようサポートする「貸し農園ビジネス」まで登場した。 社長は西辻さん(27歳)。西辻さんの貸し農園で作られる野菜はすべて「無農薬栽培」。本来なら雑草や虫食いに悩まされるところだが、西辻さんの貸し農園では、インストラクターが管理を手助けする。これにより利用者は週一回や隔週の作業で「手作りを楽しむ」ことができるようになった。家族連れでの利用も増えたという。「週末には子どもが集まり、まるで幼稚園のようになりますよ」と西辻さんは目を細める。 大学で農業経済学を学んだ西辻さんは、自分で食べる野菜を手作りしてもらうと共に、休耕地の再生も果たす――そんな一石二鳥のビジネスを目指している。ある日、西辻さんが向かったのは、神奈川県のとある住宅街。その一角に、高齢化で耕作をやめてしまった畑があった。元農家の男性は、「今まできれいに手入れをしてきた畑を荒らしてしまいたくない」と農地への思いを語った。西辻さんはその思いに応えられるのか? 一方、会社勤めで忙しいながらも「安全な野菜を食べたい」と、自宅から車で30分の農園を借りた中西さん一家。手作り野菜の収穫を目指して、インストラクターとの二人三脚が始まったのだが…。
大阪・箕面市にある大型ショッピングモールに、他では珍しい店舗がオープンした。老舗の農機具メーカーが運営する、「家庭菜園専門ショップ」だ。趣味で野菜などを作る“ホビー農業”の人口が増加したことをきっかけに、昨年オープンした。農機具メーカーの強みを生かして、一般家庭で使えるミニ耕運機まで開発。店内では、野菜の種や苗も販売する。 「出店の時はある意味冒険だった」という担当者。だが今では、農業経験のない家族連れや主婦で賑わうなど、予想以上の反響だ。
節約志向の高まりで、自宅で料理を作る人が増え急成長しているのが、レシピの投稿・検索サイトだ。最大の特徴は、掲載されているレシピのほとんどが、一般の主婦が作った「我が家の自慢料理」であること。その数は50万件超、閲覧利用者も月に680万人と、日本最大だ。ホームページには、思わず作ってみたくなる投稿者のコメントがぎっしり。 「料理をする事が作業ではなく楽しみになったとき、様々な可能性は広がる」と、佐野社長は語る。 このレシピ紹介サイト企業が、大手食品メーカーとある企画をスタートさせようとしていた。この食品メーカーの商品を使った「レシピコンテスト」を開催し、料理アイデアを募集するというのだ。コンテストによって、この商品を使った料理のレシピが増えれば、商品の売り上げにもつながるという仕掛け。 だが、応募数が少なければコンテストとしては“失敗”となってしまう。募集するレシピのテーマを何にするか…試食をして、検討を重ねる営業部の梶田さん(38歳)。入賞するレシピは果たして――?