日経スペシャル「ガイアの夜明け」 10月20日放送 第388回 格安の激震 第2波 ~百貨店・スーパー大転換~
物価の下落が止まらない。全国消費者物価指数は過去最大の下落率となった。 「とにかく安いものしか買わない」という消費者の志向は強まるばかりで、衣食住を扱う総合スーパーは“業態疲労”し、値下げ競争などで食品スーパーも振るわない。「小売業界の雄」だった百貨店も、今年上半期の売上高が、過去最悪の減少を記録。切羽詰った状況にある。まさに、これまでの小売業界の成功モデルが、存亡の危機を迎えるなか、新たな業態を築き上げようとする模索が始まった。 百貨店の大丸東京店では、これまでの高級路線から一転、「単価より客数」を求め、多彩なセールなどで集客策を模索する。生き残り策として進めてきた経営統合効果も未だ見えない中、この“なりふり構わぬ”戦略で新たな「百貨店モデル」を築くことができるのか‥。 一方、老舗スーパーの長崎屋は、2年前にディスカウントストア大手のドン・キホーテに買収された。ドン・キホーテ側は、業績不振店を閉店し、青果や鮮魚、総菜を“驚安価格”で売る「MEGAドン・キホーテ」へと全面改装。中高年が客層の長崎屋と、若者が軸のドンキが融合した新業態で混迷の時代を生き抜こうとしている。 冷え切った消費を掘り起こそうと模索する小売業界。“新業態”によって、復活の糸口を掴む事ができるのか?その新たな潮流を追った。
都心百貨店はリーマン・ショックから1年、売上げの大きな落ち込みが一巡する「10月商戦」で、前年実績を超えることができるのかが焦点だという。いち早く“低価格志向”を鮮明にした大丸東京店は、この9月に前年実績を上回り、店舗を活気づかせる考えだ。9月前半に早くも秋冬物の大バーゲンを展開。昨年までは考えもしなかった プロパー商戦序盤にあたるこの時期に、全館セールを打つ。さらに商品売り場では低価格を前面に出して弁当やスイーツを販売。セール拡大へと明確にかじを切り、9月の前年比増収を目指す‥。 一方で、売上げ不振の大きな原因である婦人衣料の改革にも乗り出した。従来の大手アパレルメーカーなどの取引先を見直し、新たな取引先を開拓、アラフォー向けカジュアル衣料のブランドを立ち上げた。百貨店の品質をキープしながら、価格帯は大丸に展開する標準的ブランドの半額に設定した。
昨年、千葉・四街道に第1号店が開業した「MEGAドン・キホーテ」。ディスカウントストア大手、ドン・キホーテの生鮮品も扱う“新業態”だ。店舗の大半は、業績不振に喘ぐ老舗総合スーパー・長崎屋を刷新したもの。全国20店舗の売上げは前年比で平均2.5倍。従来のスーパーの発想を転換する手法で、不況を逆手に急伸している。店舗の看板には黄色いシンボルカラーが使われるなど、たたずまいは、まさにドン・キホーテだが、売り場は生鮮品の強化に主眼を置く。長崎屋の仕入れルートと、ドンキの特務仕入れや商品開発力を融合し、“激安の殿堂”へ大変身させるのだ。 青果・鮮魚・精肉・日配品や飲料、総菜まで「激安」を越えた「驚安」の秘密から、“大量陳列”など消費者心理をついた売り場戦術まで、巨大ディスカウントストア誕生の裏側に迫る。