日経スペシャル「ガイアの夜明け」 12月7日放送 第446回 通話料が0円になる~ケータイ戦国時代 第三幕~
携帯電話がいま、大きな変革期を迎えている。iPhoneをはじめとする高機能携帯電話(スマートフォン)のヒットにより、これまで「ガラパゴス」と揶揄されてきた国内の携帯電話業界の仕来たりが壊れ、携帯大手3社は生き残りをかけた熾烈な競争に突入した。 iPhoneのヒットで契約者数を伸ばし独走を続けるソフトバンク、それを韓国サムスン製のスマートフォン「ギャラクシー」でNTTドコモが追撃する。そして、スマートフォンの開発にひとり遅れをとった業界2位のKDDIは、巻き返しに向け「通話料無料」という“禁断のサービス”を打ち出した。 その一方で、大手三社がほぼ独占してきた携帯電話市場に、社員わずか20人というベンチャー企業が参入する。独自のスマートフォンを開発し、格安サービスで大手に挑むという。秘策はあるのか? さらに、まったく新しいケータイの利用法の研究が始まっている。高齢者の命をケータイで守ろうというのだ。 1990年代のケータイ普及期におけるシェア獲得競争、iモードの登場による2000年代のコンテンツ覇権争い、そしていま、ケータイ戦争は“激動の第三幕”へ突入した。 果てして、勝者は誰なのか?
スマートフォンの開発にひとり後れを取った業界2位のKDDI(au)。新規の顧客獲得で苦戦を続けている。9月10日の記者会見で、小野寺正社長(当時)は「スマートフォンの投入の遅れは戦略ミス」と、反省の弁を述べた・・・ 11月、巻き返しを狙うauはようやく本格的なスマートフォンを投入。そして打ち出したのが「通話料無料」という“禁断のサービス”。これまで携帯会社が“天敵”としてきた「無料通話ソフト会社」と提携し、サービスを始める。通話料収入に頼ってきた電話会社にとって、自らのビジネスモデルをひっくり返すほどの賭けに出た。果たしてそこに、どんな巻き返しの勝算があるのか。
社員わずか20人、携帯電話向けコンテンツの開発を手がける大阪市のベンチャー企業「アールストリーム」が、この12月に携帯電話事業(携帯キャリア)に参入する。オリジナルのスマートフォンを開発し、格安の通話・通信サービスを開始するという。 これまで国内の携帯電話事業は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社でほぼ独占してきた。総務省は3年前に、携帯電話事業に競争を促すとして、携帯電話回線を開放することを決めた。そのため、大手3社から通信網を借りて、事業に参入できる仕組みが整った。しかし、国内の携帯端末は、大手3社が各メーカーと共同で開発しており、それぞれが独自の仕様になっている。このため、ベンチャーが国内で使う事ができる携帯電話端末はなかった。アールストリームはある秘策で、その壁を乗り越えた。大手に挑む秘策に迫る。
高齢者に人気の「簡単ケータイ」を使った新たな取り組みが、北海道の白老町ではじまた。ケータイに内蔵された“ある機能”を使って、高齢者の安否確認サービスを行うという。お年寄りの身体に異変が起きると、役場に自動的にある情報が伝えられる。システム研究者と、お年寄りの交流を追いかける。