日経スペシャル ガイアの夜明け・毎週火曜夜10時放送・闘い続ける人たちの物語
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日経スペシャル「ガイアの夜明け」 10月26日放送 第132回

「宝の山を掘り当てろ!」
~レアメタル争奪の4000キロ~

売れに売れている大型液晶テレビ。新機種が続々と登場する携帯電話。増産が続くハイブリッド自動車。これらニッポンが誇るハイテク製品に欠かせないものがある。
「レアメタル」と呼ばれる金属だ。
地球上に存在する量が少なかったり、鉱物から取り出すのが難しかったりする為、レアメタル=希少金属と呼ばれている。例えば、液晶ディスプレーには、インジウム、リチウムイオン電池にはコバルトなど、最先端の製品が高性能を発揮するにはレアメタルが素材として必要不可欠。日本は世界中のレアメタルの約30%を消費する世界最大のレアメタル消費国だ。
しかし、そのレアメタルが今年になって急激に値上がりしている。
原因は中国の急速な経済成長にあった。資源の無い国ニッポンのビジネスマンが、
レアメタル獲得の為に世界中を駆け巡る。キルギス、カザフスタン、オーストラリア…果たして現代の"黒いダイヤ"レアメタルは手に入るのか?

内容

【レアメタルが足りない。】

資源の無い国日本では7種類のレアメタルを20年以上前から政府が備蓄している。不測の事態が起こり、レアメタルの入手が困難になった時に対応する為だ。
 今年7月。レアメタルの一種、モリブデンが緊急放出された。価格高騰に対処する為だ。今年はモリブデンの他にも3種類のレアメタルが合計5回も国内企業に売却された。備蓄が始まって以来の非常事態だ。


【鍵は中国が握っている】

中国は世界有数の地下資源大国だ。レアメタルの輸出量も世界一、二を争う。しかし、急速な経済成長によって、国内でもレアメタルが必要となり、出し惜しみを始めた。
 中国・浙江省青田。モリブデンの世界有数の産地だ。山あいに100以上ものトンネルが並ぶ。しかし、現在すべての鉱山で採掘が禁止されている。1990年代あまりの乱掘によってモリブデンの価格が下落したため政府がストップをかけたのだ。そこで、今までは捨てていたモリブデンのクズ鉱石を、大勢の出稼ぎ農民が拾い集めている。クズでもカネになる。そして、操業停止になったはずの鉱山に人影が。
違法を承知で鉱石を掘り出しているのだ…。
中国の国有企業「中国有色金属進出口公司」。レアメタルを扱う商社だ。
副社長である胡少志さん(40歳)は、電球に欠かせないタングステンや、家電製品に使われるタンタルを扱う責任者。製造現場には増産を命じ、得意先には値上がりを納得させる為に中国全土を走り回る。
品不足に業を煮やした日本企業の現地法人社長が彼に食って掛かった。「もう少し安くしてくれ!」丁々発止の遣り取りが続く。しかし、今やレアメタルは売り手市場だ。強気な胡さん。そしてその背後には中国政府の思惑が見え隠れする。
レアメタルを握るものは、世界を制するのだ。


【大手鉱山会社の生き残りを賭けた闘い】

オーストラリアの広い原野に佇む一人の日本人、福田英一さん(41歳)。国内大手鉱山会社のひとつ、住友金属鉱山のシドニー駐在員だ。
 彼は今、ある鉱石を求めて台地を彷徨っていた。
今まで、日本の鉱山会社は海外に自前で鉱山を持たなかった。リスクを考え、海外メジャーとのジョイントベンチャーが精一杯だったのだ。しかし今後は、そんな事では急成長する中国や、世界メジャーと太刀打ちできない。そこで住友金属鉱山は、初めて自分達だけでの鉱山の開発、運営を目指していた。
選ばれたのは資源大国のひとつ、オーストラリア。ここで今後中国での需要の拡大が見込まれる銅を探すのだ。
 しかし、鉱山探査は千に三つの鉱山が見つかれば上等という、ハイリスクハイリターンな商売。見つかっても開発には10年もの時間が掛かる。
 限られた時間と、限られた資金の中で、どうやって鉱脈を見つけるのか。何も無い大地の上で闘いが始まっていた。


【答えはキルギスにあった】

横浜の保税倉庫…買い付けたばかりのレアメタル・マグネシウムの山を前に浮かぬ顔の男。レアメタル専門商社アドバンスト・マテリアル・ジャパン社長の中村繁夫さん(56歳)だ。「中国から仕入れられなくなった今、品不足は深刻だ…カネを出しても買えないパニック状況になりつつある…」
 中村さんはもともとある中堅商社のレアメタル部門で30年、買い付けを担当してきた。今年3月に部下十数人の部門ごと独立を決意したのは、レアメタルの不足を大きなビジネスチャンスと捉えたサラリーマン人生最後の挑戦だった。
しかし…長年の経験をもっても予想できなかったほどの価格高騰に、得意先に供給するはずのレアメタルが手に入らない。意を決した中村さんは中国の仕入れルートから、新しい仕入れルートの開拓に乗り出した。狙ったのは中央アジアのキルギス。
5年前…キルギスの鉱山関連会社社員が現地の武装勢力に拉致された事件をきっかけに日本の現地法人は撤退を始め、キルギス・ルートはほとんど閉ざされてしまった。中村さんは、自らキルギスに出向いて現地の鉱山会社と契約を結び、供給ルートを復活させることで日本のレアメタル不足を解決しようと考えた。「日本に居ながら資金に任せて買い付けてきたやり方はもう通用しない」。
資源を持たざる国ニッポンの商社マンは、果たして新しい供給先を獲得することができるのか…カメラはその過酷な商談の旅に完全密着した。




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