日経スペシャル「ガイアの夜明け」 1月25日放送 第452回 “やりたい”を力に!~地域と企業を変えるヤングパワー~
平均年齢20代から30代前半の“若者たちの力”で、企業の業績を伸ばし、また、地域の再生に挑戦する動きが起きている。 アパレル不況のなか、業績を伸ばし続けているファッション通販サイトの「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」。売上高はこの5年間で9.4倍という急成長を遂げる。それを実現したのは平均年齢27.1歳という若手社員たち。アパレル不況の中でも好業績を誇る秘密は、「若者のやる気を引き出す」という仕組みにあるという。 一方、ニッポンの埋もれた「技術」や「地場産業」を新型ファンドで支えようと全国を巡る30代前半の男たちがいる。ミュージックセキュリティーズは投資家を募り、日本酒やおにぎり、ジーンズなど国内の地場産業に全く新しい仕組みで投資する。 若い力で地域や企業を変える新たな動きを追いかける。
アパレル不況の中、インターネットのファッション通販で業績を伸ばしているサイトが「ZOZOTOWN」。1300を超える国内外のブランドが出品し、10万点もの商品が常に並んでいる。今期の売上高は前年比34パーセント増の230億円を見込み、この5年間で9.4倍の急成長を遂げる。 サイトを運営するスタートトゥデイは平均年齢27.1歳。好業績の秘密のひとつが、若い社員たちのやる気を引き出す仕組みにある。一人一人の社員に責任を持たせ、商品の仕入れから売上げの管理まで任せる。前沢友作社長(35歳)は「会社なんて、それぞれの夢を応援するものでいい」と話す。 昨年8月に店長(商品バイヤー)に抜擢された22歳の高田慎平さんは、現在、サイト上に自身の店を持ち、30ものブランドを扱っている。その店の経営責任を自身が負う。売り上げが届かなければ、新しい企画をブランド側に提案し、底入れを図る。 また、社員が自ら提案し、プレゼンに成功すれば希望の部署に移動する仕組みも若者たちのやる気を引き出している。人事部に所属していた入社3年目の設楽みさきさん(25歳)が、念願のバイヤーへの転進を目指し、その社内プレゼンに挑む。「いつかは自身でリアルな雑貨屋を経営したい」と夢を語る。果たして・・・。
30代前半の若者たちが、地域の産業を救おうと奔走している。東京・丸の内に本社を構えるファンド運営会社の 「ミュージックセキュリティーズ」。地方を周って見つけた地場産業や、消えかねない技術などに注目し、投資家を募る。そこには全く新しいファンドの形があった。もともとは、アーティストの発掘のために一般投資家から資金を集めるファンドを運用してきたが、2007年にこの仕組みを使って地場産業を支える事業に乗り出した。 その一例が、日本酒の「純米ファンド」。1口5万円、出資者はインターネットで公募され、一般の人が多い。事業が成功すれば配当金が出るほか、出資者には年に1回“純米酒”が送られてきたり、蔵元を訪ねたりというサービスが与えられる。「つながっている」という共感が人気の理由のひとつという。この3年間で、10種類の純米酒ファンドに、約2200人から合計で約1億円が集まり、これが新酒を造る原資となった。 この「地域再生ファンド」の責任者が取締役の猪尾愛隆さん(33歳)。猪尾さんがいま、新たに取り組んでいるのが「ワリバシファンド」。中国産の安価な材木におされ、衰退する“日本の林業”を何とか支えたいと始めた事業。この春までに4000万円以上を集めるとうが、そのためにどんなアイデアを生み出すのか。