日経スペシャル「ガイアの夜明け」 2月15日放送 第455回 シリーズ ニッポンの食卓(2) ~ 深化するデリバリー ~
ニッポンの食卓の今を見つめるシリーズ第2弾は、家庭に押し寄せるデリバリーの新展開を追う。 長引く不況で厳しさが増す外食産業だが、そんな中で市場規模2兆円産業とも呼ばれる宅配ビジネスが元気だ。ただ客を待つだけでなく、店のほうがもっとお客に近づいていく、その積極性が「出前」「デリバリー」として深化しているのだ。中でも、知られざる変化を遂げているのが、宅配すし業界。ここ数年で急成長しシェア45%というガリバーとなった宅配すしチェーンがある。その背景に迫る。同じく右肩上がりとなっているのが、「宅配弁当」。「これが届くのが毎日の楽しみ…」という人が増えているという。新たなステージに深化する宅配の形を追う。
おいしい味と手ごろな値段を実現し、宅配寿司でトップを走るのが「銀のさら」だ。現在全国に322店舗、デリバリー寿司業界でのシェアは、実に45.5%を占める独り勝ち状態だという。「銀のさら」の寿司の秘密は、ある独自技術にある。それは解凍技術。寿司ネタを解凍する際に、うまみ成分を逃すことがないという。また、銀のさらと同じ店舗内には、「レストランエクスプレス」が運営するもう一つの業態、釜飯宅配の「釜寅」を併設。1つの店に複数のブランドを入れることで店舗維持費や宅配コストを削減できるなど大きなメリットがあるという。
東京の下町・深川に店を構える老舗すし店「寿司孝」。希少価値の高い大間のマグロを仕入れて、出前に使うなど、いまなお、出前に力を入れる老舗の寿司店だ。しかし、周辺には、寿司大手チェーンや激安寿司が次々に出店、さらには宅配寿司の台頭もあり、老舗の寿司店の閉店が相次いでいた。こうした中、すぐ近くにある大手チェーンも出前寿司を開始。危機感を強める「寿司孝」が新たに開発しようとしていたのが、旬な魚を使った「至高の出前」メニューの開発だった。果たして、老舗の暖簾を守り続けることはできるのか。
「これが届くのが毎日楽しみ。」そんな利用者を背景に急速に成長している宅配がある。高齢者向けのお弁当配達だ。手がけているのはワタミグループ、ワタミタクショク。2年前から高齢者向けの弁当配達に参入。スタート当時は4万食だったが、いまでは1日12万食に上る。最大の売りはお弁当の配達人「まごころさん」。年齢制限がなく、自分ペースで配達することができるため、60歳以上の人や主婦などが大半。その地域のことを誰よりも知っている人たちだ。大阪でお弁当の配達をするまごころさん、森迫小夜子さん(60歳)はお客さんとの会話を何よりも大事にしている。お客さんの身体の調子からお天気の話まで、ささいなことだが気さくに話しながら配達をする。一人暮らしのお年寄も多く、毎日の会話が「見守り」にもつながっている。「お金がほしいというより、人の役に立てるのがうれしい。」そんな森迫さんの配達を楽しみにしている客は多い。お弁当を通じて地域コミュニティを築く。そんな新たな試みが行われようとしていた。お弁当で地域のきずなは築けるのか?