日経スペシャル「ガイアの夜明け」 3月8日放送 第458回 “捨てない”に商機あり!~進化する 新・中古ビジネス~
中古品のリサイクル市場が拡大している。環境省によると、2009年の国内の中古品リサイクル市場は約1兆円(中古車市場除く)と推計される。不要となったモノをそのまま買取り、販売するのではなく、ひと手間加えて「新しいモノ」を生み出すショップが人気となっている。これまでなかった「物々交換」や、「出品者の思い出」をストーリーとしてウリにするなど、新たなスタイルが購入者の共感を呼んでいる。中古ビジネスの最前線を追いかける。
名古屋市名東区のアンティークショップ「コレコーレ」。実はこの店、“物々交換”で人気 となっている。店内に並ぶ陶器や絵画のほとんどは、お客さんが持ち込んだ物。客は持ち込んだ商品を査定してもらい、それに見合った現金を受け取る。しかし、この店では、現金を受け取る代わりに、その金額に見合った店の商品と交換してもらうことができる。圧倒的に“物々交換”を選ぶ客が多いという。いったいなぜなのか?
昨年4月に東京・原宿の表参道ヒルズにオープンしたリサイクル雑貨の「パス・ザ・バトン」。店内に並ぶ商品には、不思議な「札」が付いている。そこには出品者の顔写真と、その商品にまつわる“ストーリー”が書かれている。 「50年前に家族4人でいつも使っていた思い出のルーレットゲームです。大切に使ってください」 「社会人になった時に初めて購入した靴です。これを履いて、何度もプレゼンテーションに成功しました」など。このストーリーが客の共感を呼ぶのだという。このほかにも、メーカーが抱える大量の売れ残り品や、傷などのあるB級品を買い取り、ひと手間加えてオリジナル商品に仕立て上げて、販売している。 この店を経営するのは、スープ専門店の「スープストックトーキョー」を運営するスマイルズ。社長の遠山正道さんは「ただ消費する時代ではない。消費者が本当に行きたくなるリサイクル店を作る」と語る。 この春、遠山社長は次なる展開に乗り出す。愛知県瀬戸市の陶磁器メーカーから、「売れ残った大量の陶磁器を買い取ってもらえないか」という依頼が舞い込んだのだ。遠山社長のアイデアと手腕に迫る。
東京・銀座に「予約は3ヵ月待ち」という人気の店がある。服のリフォーム専門店「サルト」。「体型が合わなくなった」「デザインが古い」などの理由で着ることができなくなった服が、全国から持ち込まれている。サイズ直しや補修にとどまらず、この店は「デザインから一新する」という“技ありのリフォーム”で評判となっている。 20代の若手クリエイターが、古いスーツなどを“流行のスタイル”にデザインし直し、ベテラン職人たちが高度な技術で縫製していく。 2月、ある男性から「スーツを直してほしい」との相談が持ち込まれた。この男性が20年前、結納のために新調したスーツ。男性の妻は2年前に亡くなったという。この“思い出のスーツ”を仕立て直し、長女の卒業式に着ていきたいというのだ。しかし、20年の間に体型は大きく変わり、直しの必要な個所は20を超える。担当するのは職人歴35年の丸山晴(まるやまひとみ)さん。このスーツを生まれ変わらせることができるのか。