事件は起きた。…それは私にとっては重大な事件だった。
おそらく、ヘビーな君にもヘヴィーな君にもきっと喜んでもらえるだろう…そんな事件が。
その瞬間、私の足は震え、眩暈さえもした。驚愕のできごとだった。あきらめていた運命の歯車が、一瞬ではあるが動き始めた、そんな、瞬間であった。メタルの神がいるのなら、私は全身全霊をもって感謝の言葉をささげるつもりだ。
それは、ついに(と言っても過言ではない)このコーナーであのバンドが取り上げられたときにおきた。
そう、バンドの名は…メガデス。
2000年1月、類まれな才能を持つギタリストのとった行動が、衝撃とともに世界を駆け巡った。マーティー・フリードマン、メガデス脱退…
私はそのニュースをLAの安モーテルで、行きずりの女と共に過ごした夜に知ったのを、鮮明に覚えている
…という嘘を理由もなく書いてみる。
…話を戻そう
隆盛を誇ったメガデスに、当時何が起きたのか、それは私にとって知る由もない。
ただ、袂を分かった運命のレールが二度と…二度と交わらないのではないかということだけは、直感的に感じていた。
しかし、その「時」は、なんの前触れもなく、やって来た。…運命というにはあまりに安すぎる。宿命というには軽すぎる。
極東の島国で、それも深夜の番組で流されたメガデスのPV。「Hanger 18」…
ビデオも中盤に差し掛かる頃、特徴的なその流麗 なギターが奏でるフレーズが私のすぐそばで、聞こえ始めた。
ビデオに合わせて…誰かが弾き始めた!
モニターのスピーカーからではない、生々しい、リアルな息遣いをともなった音が…私の耳に飛び込んできたのだ!
マーティーが…弾いている!メガデスを…弾いている!
…完コピだ!完コピじゃないか!!!これはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
「当たり前ダヨ!だって本人ジャン」とマーティ。…それはそうだ… そしてメガデスについて、マーティーは語った
「10年ヤッテタンダヨ。強烈なバンドだったに決まってるジャン。」「でもね、なんでバンドが解散するのか判るネ」
…えっ…そうなの
……
「飽きるんだヨ 毎日 同じ人 同じ人 同じ人デネ」……そうか…そうなのか…… マーティー。そんな事を…さらりと言ってのける君が…最高だ
番組では時間の関係上、やむなくカットされているが、マーティーの言葉をもう少し記そう…
「ツアーに行くジャン。ツアーってホント会社の出勤みたいなんだヨ。決まった時間に決まった場所に行くじゃん、そして、同じ人に会うじゃん。そして、その人たちってのは、ある意味、家族よりも長く会ッテルンダヨ。家族よりも、家族ミタイな感じナンダヨ…だけどね、飽きるんだよ、やっぱり」…
…なんだろう、言葉にするのは難しいのだけれど、マーティーの言わんとしていることが、なんとなくわかる気がした。いや、あくまで気がしただけだ。
そんなに深い内容の話をしていたわけではない。
けれども、私の中で交差した様々な想いはいったいなんだったのだろうか…? あいかわらずのオモシロ外人 マーティーを前にして…。
家族を超えた存在。家族を超えた関係。そして解散。私の稚拙な文章でこれ以上、書いても安っぽくなるだけかもしれない…
私はメガデスの一ファンでしかないけれど、私は私の人生のある間メガデスと共に過ごしてきた。マーティーのギターで確実に心を震わされていた。
その過去の時間、その頃の想い、今改めて感じるメガデスの存在感。そして…今マーティーが日本を愛して、日本に住んでいるという事実。
私にとって、なんだか、とても不思議な気がする夜だった…そう、マーティーはこうも言っていたっけ。
ギャグセンスがギリギリだとつっこまれて、
「ギリギリと言われてもうれしいんだよ」と…
ホント、マーティー、君はかっこいい 本気で思うよ かっこいいって。
日本に来て、色んな人に出会う日々、それを「とても刺激的で楽しい」と言ってくれたマーティーに…ただただ感謝の夜であった。
| 今週の スクールオブメタル |
(1)デフ・レパード「フォトグラフ」
(2)メガデス「ハンガー18」
(3)スコーピオンズ「ディープ・アンド・ダーク」 |