正直に言おう。
今夜のヨーコが一番好きだ。
ギターを抱く女性が、こんなにカッコよく見えたことはない。
今夜、ヨーコが抱いた作品は、
ギブソン・レスポール・カスタム
ザック・ワイルドモデル。まさに野性的な作品だ。
ザック・ワイルド。
ビールとバイクを愛する豪傑ハードロッカー。
8才でギターを始め、
20才でオジー・オズボーンのバンドに参加。
今もなお、
HR/HMの最先端をワイルドに疾走し続ける男にして、
世界一ヘビーなサウンドを紡ぎ出す男。
『カッコイイ』というコトバは、彼のためにある。
ザックのトレードマーク、
それは、ボディいっぱいにペイントされた 『ブルズ・アイ』。
メイプルとマホガニーで出来たヘビーウエイトなボディから放出される、
他のギターでは真似の出来ない、重たい音。
丸太のような太い腕で、暴れん坊の猛牛ギターを乗りこなす、ヘビーメタル・カウボーイは、
ブルズ・アイで観衆のハートをロックオンし、骨の髄までズドンと重低音を撃ち込むのだ。
ブルズアイ。標的。
ずっと眺めていると、私には「宇宙」に見えてくる。
カメラのシャッターを開いたまま定点観測をすると、星の動きが線になって円を描くヤツ。
北の空に向かうと、中心は北極星であり、そのまわりを北斗七星やカシオペア座や、
何億光年も前の光が回転している、あの写真だ。
イマジネーションによって、宇宙と遊ぶのだ。(岡本太郎)
「ザ、ザックのね、イ、イマジネーションが、彼の中心でビックバンする!
そして、ブルズ・アイという目玉のど真ん中から、波状的に音魂がね、放出されるんだ!
それは、ヘビーメタルという宇宙になって、どこまでもどこまでも、どこまでもね、
断続を伴い放射され、膨張し続けていくんだよ!! ヘビーメタルは爆発なんだよ!!!」
私の妄想の中の岡本太郎がつぶやいた。
ふと我に返ると、収録を終えたヨーコがつぶやいた。
「あぁ、重たい。」
そうなんだよ、ヨーコ。ギブソンのレスポールは、重たいんだ。
この『重力』こそが、ヘビーメタルという宇宙が生み出した神秘の力なのだ。
いつか、宇宙旅行ができるのであれば、私は、このレスポールを積んで旅立とう。
そして、地球外知的生命体に出会ったら、ブルズ・アイを見せながら、言い放ってやるのだ。
「われわれの星には、ヘビーメタルがある」と。
そうそう。
先週、ザックがビデオ出演してくれたよね、ビールを片手に。
カットされちゃったけど、ザックは最後に、みんなの期待通り、
口にふくんだビールを、カメラに向かってぶちまけてくれたよ。
こっちが『ブルズ・アイ(標的)』になったってわけさ!
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