何事もないように、いつものように
「ヨーコの今夜のいっぽん」がはじまった。
ヨーコの抑揚のないいつものコメントがはじまる。
「今夜のいっぽんはDEAN マイケル・シェンカーモデル・・
とってもかっこいいギターなんだけど・・・」
あれ?何?その感じ?
いつもの熱くるしい言葉は・・・?かっこいいギター?・・
・・なんだけど?
「パッパラーさんの
プログレ話が長すぎたから
今夜はこれで・・お・し・ま・い」・・・
・・・・・曜子の笑顔が画面に広がる・・・・・なんと・・なんと
プログレ・・・番組構成自体・・
変拍子とは・・・
凄まじきは
「プログレさん祭り」・・・
とはいえ・・・
すっごく短いじゃないかあ!
わーーーーーーーーーーーーーーーーっ(抗議)!
プログレ長いのはわかったけど、話も長いじゃん!
だから、今夜のヨーコは削られちゃったじゃん!!
っていうか、”神様” のギターだぜ、今夜は!!
よし、このページでしっかり語ろうじゃないか。
書きまくるぞ! 今夜は、”神様”のギター、
DEAN マイケル・シェンカーモデルの登場なり!!
まずはDEAN社についてだ。DEAN社の誕生は1976年。
カンサスを筆頭に、当時のギタリストから高い評価を
受けていたが、徐々に人気は下降気味に・・・。
そんな折、DEANの救世主として現れたのが、
パンテラのギタリスト、
ダイムバック・ダレルだ。
彼はアマチュア時代からDEANを愛用しており、
パンテラの人気が高まるにつれ、愛用のギターへの
注目度もUP!よってDEANは人気復活を遂げたのだ!
そのDEAN社が初めて、
マイケル・シェンカーのシグネチュア・モデルを誕生させた。
ギブソンのフライングVにこだわり続けてきたマイケル・シェンカー自らが、OKを出したのだ。
マイケル・カラーでもある
白と黒を基調にした
至極の作品は、ファン待望のモデルにして、
マイケル・シェンカーの
”最終型”とも言われるモデルである。
ちなみにこのモデルには、アコースティックギターを含めて5機種がラインナップされている。
マイケル・シェンカーUSA、
CUSTOM、
STANDARD、
EXOTICA、
PERFORMER。
今夜、ヨーコが抱いた作品は、そのうちのいっぽん、
DEAN マイケル・シェンカー CUSTOMだ。
これまでにDEANが培ってきたギター製作のノウハウが凝縮された、まさに
高級作品。
ウッドは厳選された素材が使用され、ボディーはオールマホガニー。テイル・ピースは、
58年に発表されたオリジナルのフライングVと同様、ボディーの裏から弦を通すスタイル。
何よりもヘッドにプリントされた翼のロゴマークが、
”飛翔神”の愛器としての威厳を誇っている。
マイケル・シェンカーはいかにして創られたか? 天才ギタリストはいかにして誕生したのか?
栄光と挫折、孤独と葛藤、いかにして彼は、人生を格闘してきたのか・・・。
1955年1月10日、マイケル・シェンカーはドイツの田舎町で生まれた。
幼い頃は、近所の子供たちと同じようにサッカー選手を夢見て、ボールを追いかけていた。
音楽に興味を持つようになったのは、6歳上の兄、ルドルフの影響だった。ルドルフは、
9歳のマイケルに、ギターとビートルズやシャドウズのテープを渡して、コピーをしてみろと言った。
以降、マイケル少年は音楽に没頭。さまざまなギタリストをコピーしまくり、影響を受ける。
レスリー・ウエスト、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、トニー・アイオミ、
リッチー・ブラックモア、アンディ・パウエル、ジョニー・ウィンター、ロリー・ギャラガー・・・。
マイケル少年が出会った60年代後期から70年代初頭に登場した偉大なるギタリストたち。
あえて名前もあげる必要がないくらいの偉大なギタリスト達の存在が、マイケルを飛翔させるのである。
13歳の頃、彼は本格的なバンド活動を開始、地元のライブハウスでその実力を披露する。
10代のメンバーが演奏してるとは思えない驚異的な演奏力は、地元サーステッドのみならず、
ハノーヴァーでも人気を集め、新聞でもその熱狂ぶりは紹介されたという。
そして、14歳にして、当時のバンド、コペルニクスで共に活躍していたクラウス・マイネ(VO)と、
兄のバンド、
スコーピオンズに加入。その2年後、アルバム『LONESOME CROW』(72年)でデビュー。
このスコーピオンズ初期の時代、レスポールを使用していたマイケルが、ギターの弦が切れて、
兄のフライングVを借りることになる。そのサウンドに惚れ込んだマイケルは、以降フライングVを愛用、
それがきっかけで、フライングVは、マイケル・シェンカーのトレードマークへとなっていく。
(レスポールをホテルの部屋に置いたまま部屋鍵をなくしてしまい、ライブでレスポールが使用できず、
その時に兄のフライングVを借りることになった、という説もある。)
翌年、スコーピオンズがかつて前座を務めたことのある英国のバンド、
UFOに引き抜かれる形で渡英。
獲物を狙うオオカミのような鋭い目つきと、内股でフライングVを股に挟む独特のプレイスタイル。
英語というコトバの壁に悩まされながら、
孤独な精神状態でひたすらギターと向き合う日々。
その中から生まれたエモーショナルな楽曲とプレイは、多くのロック・ファンに支持されていく。
しかし、そういった環境や成功のプレッシャーに耐えられなくなっていったマイケル・シェンカーは、
数度の失踪を繰り返した後、UFOを脱退。一時のスコーピオンズ復帰を経て、80年に心機一転、
自らのバンドである、
マイケル・シェンカー・グループ(MSG)を立ち上げる。
ちなみに、日本での人気が爆発したのもこの頃で、ソロ第1弾『THE MICHAEL SCHENKER GROUP』
の邦題が
“神”だったことが、彼のニックネームの由来となったことは言うまでもない。
以降、マッコーリー・シェンカー・グループを経て、再結成UFOへの加入&脱退を繰り返し、MSG、ソロと、
現在も精力的な活動を展開している。プライベートでの負の遺産をものともせずに、その演奏は衰えない。
極上のトーンで、情緒的かつ、鬼気迫るテンションで弾きまくる現在のマイケルの姿は、
04年秋にリリースされたライブDVD『WORLD WIDE LIVE 2004』でも目にすることができる。
“神”は語っている・・・
「完璧すぎるとつまらない。そこからは、作り物の匂いがする」。
この人間クサさ、このエモーションこそ、彼が、私たちを惹きつけてやまない魅力なのではないか?
人間の感情が、濾過(ろか)され、絞り出されてくるかのような、一滴のプレーズ。
その反面、抑えようとしても抑えきれない、とめどなく溢れ出てきてしまう、情念のフレーズ。
だから、私たちは
”神”のギターで、
泣き、震え、叫ぶ。
でも、“神”は言い放つだろう。
「神様?とんでもねえ、俺はマイケル・シェンカーだよ。
RONGO(論語)に『五十にして天命を知る』って書いてあるだろ? 今年で俺も50歳、『知命』の歳さ。
だから、俺は、ギターを弾くことだけはあきらめない。いくつになっても、何があってもね。
なぜなら俺は、ギターを弾くために生まれてきたんだから。」
そんな、私の妄想の中のマイケル・シェンカーのコトバが、今夜も聞こえてくる。
絶望に襲われ、恐くなって、前に進めなくなった時、そんな時は、
マイケル・シェンカーを聴け。
きっと我々に、立ち向かう勇気と希望を与えてくれるはずだ。
なぜなら、
それこそはまさに、”神の啓示” だからである。
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