PERSON 社員紹介

それぞれ異なる理想の「音」を
表現するために

「聞きやすい音を届ける」のが音声の仕事

私は現在技術局制作技術センターに所属し、音声を担当しています。スタジオでの番組収録、ロケ―ション撮影やスポーツ中継などに同行し、視聴者に「聞きやすい音を届ける」というのが主な役割です。例えばバラエティ番組収録では、出演者全員の声がバランス良く聞こえるようにピンマイクの音量や音質を調整しています。面白いコメントの声がかき消されないよう、誰かが発言した瞬間に反応して調節する必要があるので、瞬発力や対応力が求められます。スポーツ中継の場合は、体育館や競技場などの試合会場に足を運び、マイクやケーブルのセッティングを行います。初めての会場では下見を欠かさず、準備を重ねて効率的な機材配置をプランニングするのも重要な仕事の一つです。スタジオで行う番組収録と異なり、スポーツ中継ではリハーサルができません。このため、例えば柔道ではマイクを畳に仕込んで畳を叩いて音を確認したり、試合前の選手の練習風景をリハーサルとして録音するなど様々な工夫をしています。一つの番組に音声担当は一人しかいないことが多いので責任は大きいですが、自分の思うがままに音を表現できるやりがいを感じますね。

音声担当の力量が求められる、歌番組

最近メインで担当している歌番組では、これまで経験してきたスポーツ中継やバラエティ番組とは異なる知識や技術が求められます。歌番組の特徴としては、「関係者のこだわりの音」を実現することの難しさが挙げられます。歌手はもちろん、所属事務所のマネージャー、CDやレコードを制作するレーベルの担当者など、皆さんそれぞれの理想とする「音」がはっきり決まっていることが多く、マイクの選び方やエコーのかけ方ひとつで歌の印象が大きく変わるため、個々の好みに近づけるのは至難の業です。さらに、音へのこだわりは言葉で説明できないという難しさもあります。これまでにも、「あの曲のキラッとしたところを強調して!」とリクエストをいただくこともありました。「私にとっての良い音」と「演者さんにとっての良い音」が違うこともありますし、CDに収録されている音源に近づけることが正解とも限りません。歌番組ならではの良さを引き出すためには、その日限りのステージの臨場感を表現する必要もありますし、演者さんの当日の調子も考慮しなくてはなりません。どんな現場でも「音」を扱うという点では一緒なんですが、毎回違ったアプローチが必要になるので、新鮮な気持ちで緊張感をもって働いていますね。

コロナ禍で、より効率よく働けるような取り組みも

新型コロナウイルスの感染拡大で、働き方も大きく変わりました。音声はピンマイクを付けるときに演者さんと近づくことが多いので、マスクやフェイスシールドをきちんと付けて、機器の消毒もこれまで以上に念入りに行っています。会社の出社制限にあわせて、在宅勤務の機会も増えました。音声の仕事は現場での仕事が基本なので、自宅でできることは限られているのですが、これまでは忙しくてなかなか勉強できなかった新しい技術を学んだり、インプットにはうってつけのチャンスだと考えています。上司からも、e-ラーニングやWEBセミナーなどの受講機会を提供してもらうことがこれまで以上に増え、思う存分に知識や技術を身に着けられる環境にありがたさを実感しています。テレビ東京の音声担当社員は6人と少人数で、もともとアットホームな雰囲気だったのですが、対面での打合せの機会が減っても変わらずコミュニケーションは取れています。オンライン環境でも新人や後輩にきちんと指導しやすいよう、マニュアルづくりも行いました。コロナ禍の厳しさは日々感じていますが、デジタル化の推進など今後も役立つ施策の導入も進んだので、悪いことばかりではありませんでした。

放送終了時の充実感はかけがえのないもの

音声の仕事は、視聴者の方から褒められることは少ない一方で、失敗するととても目立つ仕事です。「うまくいって当たり前」であるけれど、ミスをすると放送事故に繋がるシビアな仕事ではありますが、やりがいはたくさんあります。バラエティ番組であれば、出演者の誰かがボソっと放った一言を聞き逃さず、きちんとその声をマイクで拾うことができて、番組が動いたとき。スポーツ番組だと、オリンピックや世界大会などの歴史に残る瞬間に立ち会い、その試合の様子や臨場感をきちんと届けることができた時。歌番組だったら、『テレ東音楽祭』など、生放送を問題なくやり遂げた時。責任重大な仕事であるからこそ、それぞれの現場で無事に放送を終えたときの充実感はかけがえのないものです。私は現在入社して9年目になります。入社時の目標として「10年目には、どんな仕事も任せてくださいと胸を張って言える人になりたい」と思ってたのですが、現時点でまだ苦手な分野もあります。プロへの道のりは長いなと改めて思いますが、それと同時に「時間をかけてきちんと育ててもらっているな」という実感も強くあります。先輩方には本当に感謝ですね。

撮影現場での経験は、人生の充実に繋がる

テレビ東京の技術局のいいところは、人数が少ない分、すぐに現場に出ることができるということです。座学よりも実践的に学ぶ機会がとても多いので、若手の時から様々な経験を積むことができました。色々な番組に立ち会うことで、普段は会えないような人と出会えたり、自分自身の知識の幅も広がります。私は収録現場での出会いをきっかけに、それまでは興味もなかったゴルフを始めました(笑)。仕事はもちろん、プライベートも含めた人生が充実していくきっかけになると思います。私自身、音声のことを何も知らずに入社したので、学生時代に専門知識を学んでいない人でも大丈夫です。入社後にしっかり勉強や練習もできますし、先輩方も親身にそれに付き合ってくれます。是非、物怖じせずに興味がある人は飛び込んでいただければなと思います。

プロフィール


2012年入社/技術職採用
入社後技術局制作技術部(現:技術局制作技術センター)に所属し、音声業務に従事。スタジオ収録を中心にロケや中継でも活躍。現在『洋子の演歌一直線』『ひるソン』『3秒聴けば誰でもわかる名曲100』などの番組を担当。

担当番組


ひるソン
プレミアMelodix!
柔道グランドスラム2019
フィギュアスケートジャパンオープン

思い出の一枚


入社1年目の冬、人生ではじめて生放送のミキサーを担当したときの1枚です。今自分が録っている音を聴いている人がたくさんいるということを実感し、緊張もしましたがとてもわくわくしました。春には10年目になりますが、初心を忘れず頑張ろうと思い出させてくれる1枚です。

技術局紹介