PERSON 社員紹介

番組にアプローチする方法は
一つじゃない

視聴データの川上から、川下まで

2016年にテレビ東京に入社し、技術局映像技術部(現在は技術局制作技術センターに内包)に配属されてCGや動画配信、データ放送、ハイブリッドキャストに関する業務を担当していました。私のトレーナーが局内のデータ放送の担当者だったこともあり、なかでもデータ放送に携わる時間が長かったと思います。インターネット結線されたテレビデバイスから視聴データを取得するという取り組みでは開発も経験しました。その後、「視聴データの取得」から一歩先に進んで「視聴データの利活用」の環境を作らないかという声がかかり、2018年からは出向という形で、テレビ東京コミュニケーションズ(以下TXCOM)という、Web領域の業務を扱う会社で勤務をしています。TXCOMは簡単に言うと「テレビ局の中にあるIT企業」というイメージでしょうか。最近では取得したデータを可視化するためのダッシュボードの開発、UXデザインにも関わりました。視聴データの取得とデータ利活用のための基盤づくりに関わると、今度はそのデータを使って番組を分析したいという欲求がでてきました。そんなことを考えているうちに「クロスワーク制度」という人事制度ができたんです。これは双方の部署の許可さえ出れば、希望する他部署の勤務が経験できるというもの。これは手を挙げるしかないだろうと思い、現在は総合編成局マーケティング部にも所属し、視聴率や視聴データを用いた番組分析なども行っています。

データ取得システム構築という濃密な経験

入社2年目で手掛けた視聴データ取得システムの構築は、非常に有意義な経験でした。プロジェクト自体はそれなりの人数で進めていたものの、データの取得部分のプログラムはほぼ一人で開発することになり……。入社2年目の社員になんてものを任せるんだ……とか他局はもっと人がいるのに……と最初は唖然としましたね(笑)。ただ結果として、開発に向き合った3ヶ月間はこれまでにない濃密な時間でした。なんとか動作するものを仕上げて、実際に稼働した日のことは今でもはっきりと覚えています。早朝の放送開始からシステム稼働のモニターをしたのですが、日本全国のテレビから大量のデータが一斉に飛んでくる。それこそゴールデンタイムになったら数百万台といった数のテレビからデータが入ってくるわけです。あの快感を味わえたのは大きな裁量を与えられて、手探りで苦労しながら作業したからこそだと思うんですよね。ある意味テレビ東京ならではかなと思いましたね(笑)。

データ放送の可能性を模索する日々


TXCOMでは現在、データ放送に関する開発業務も担当しています。データ放送では、番組に連動したコンテンツを提供し、リアルタイム視聴を促進するという使い方が大半です。ただ、その中身はどんどん複雑化し、新しい施策も生まれています。例えば『ポリス×戦士ラブパトリーナ!』という特撮番組では、テレビに向かってリモコンのボタンを押すと、画面上に魔法のエフェクトが発生する演出をデータ放送で作りました。それだけではなく、実際に発売されているおもちゃでもデータ放送と連動して遊べるような仕組みを実現しています。おもちゃの先端に赤外線学習ユニットが付いていて、これにテレビのリモコンの信号を登録します。おもちゃを振ると登録された信号が発射されて、その信号をデータ放送が受け取って……という流れです。シンプルな仕組みではあるんですが、視聴している子どもたちはヒロインと一緒に戦っているような感覚になるんですよね。
また、『遊戯王SEVENS』というアニメではデータ放送画面内でカードパックの開封とカードのコレクションができる「コンプリートチャレンジ」という企画を実施しています。一定枚数以上のカードを集めると限定カードがもらえるリアル連動の施策で、インターネットに接続されていないテレビ同士でカードのトレードができる機能も盛り込んでいます。実は私、お小遣いをもらったらすべてを遊戯王カードにつぎ込んでいたような小学生だったんですよ。自分の企画に向けて新規のカードが作られ、それがテレビで放送されて、出演者がそれを宣伝してくれる……こんなに嬉しいことはなかったですね。企画立案から技術的な調整まで一貫して担当したこともあり、データ放送という領域で働いてきた中でも達成感の非常に大きい仕事でしたね。

自ら企画を立て、番組に関わっていく

一緒に働きたいのは、スキルの高い人はもちろんですが、なによりもモチベーションが高い人ですね。スキルに関しては、テレビ局独自の規格も多いので、学生が入社前に専門性を身に着けて……というのは難しい部分もあると思います。私自身、現在の業務で使っている技術を学生時代に直接的に勉強していたわけではなかったですから。もちろん、プログラミングスキルなどは私のような領域で働く上での基盤にはなると思います。ただ、入社後も勉強できる環境はありますし、まったく異なる領域から斬新な企画の提案に繋がることもありますので。TXCOMでは、みんなが積極的に企画立案をするような環境なんですよ。先程お話しした『遊戯王SEVENS』の企画もそのような空気の中で生まれたもの。そういう環境で働いていると、番組への関わり方は様々だな……ということを強く感じますね。「番組を作る」という言葉からは、制作のプロデューサーやディレクターをイメージするかもしれませんが、一つの番組には様々な角度から多くの人間が関わっていて、中には私のようにデジタル領域からアプローチする人間もいる。それぞれが持っているスキルや個性を集めて番組を作り上げていく。この考え方が大切なんだなと思いますね。

映像メディアを好きな人なら、テレビ局は最適な環境

テレビ局を取り巻く環境が変化する中で個人的に思っているのは、おそらくテレビというものを利用する人が今後爆発的に増えることはまずあり得ないですよね。地上波の優位性というのは「不特定多数に安定的かつ高速で映像を届けることができる」という点だと思いますが、この点は通信にも既に当てはまるようになってきています。まだまだ各家庭に1台はテレビがあって、視聴習慣があって……という貯金はありますが、当然ながら楽観視はできません。でも、テレビ局は「コンテンツ制作者」としての側面も持っています。メディアが変わったとしてもコンテンツがなくなることは絶対にありませんし、プラットフォームとしてのテレビの立場が弱くなることはあっても、コンテンツそのものは影響力を保ち続けるはずです。ですので「テレビが観られなくなっている」からといって、テレビ局がおしまいかというとそうではないと思います。会社は配信や衛星放送、イベント事業、その他様々な媒体と組み合わせてコンテンツのパワーを最大化しようとする取り組みを積極的に行っています。良質なコンテンツを作り続けることができれば、未来は必ずありますし、これまでトップランナーとしてコンテンツを作り続けてきたことによる経験値は無駄にはなりません。映像を仕事にしたいと考える人が勉強する場としては、これ以上の環境はないと断言できます。自分の興味にとことん向き合えば、納得のいく就活ができると思いますよ。

プロフィール


2016年入社/情報技術職採用
入社後は技術局映像技術部に配属。データ放送やハイブリッドキャスト、CGや動画配信等、映像技術全般に関わる業務に従事した後、テレビ東京コミュニケーションズに出向。データ放送を用いたリアルタイム視聴促進施策のプロデュースや、番組視聴データ分析のダッシュボード開発を担当している。現在はクロスワーク制度を利用し、総合編成局マーケティング部も兼務している。

思い出の一枚


会社の同僚と星空鑑賞の旅行に行ったときの1枚。会社柄なのか、違う部署でもみんな仲良くなります。

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