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阿部 一二三 ルポ「グランドスラム東京2016」はリスタートへのステップ

2016.11.29
柔道グランドスラム東京2016 - 阿部 一二三 ルポ「グランドスラム東京2016」はリスタートへのステップ

「グランドスラム東京2016」はリスタートへのステップ

 

高校2年生の時に「グランドスラム東京」を史上最年少で制し、66kg級の「若き才能」として注目を浴びてきたが、リオデジャネイロ五輪の選考から漏れた阿部一二三(ひふみ)。「グランドスラム東京2016」は、阿部のリスタートへのステップとなる。

 

2年前、彗星のごとく現れた阿部一二三。2014年11月の講道館杯を17歳で制すると、翌月の「グランドスラム東京」にその勢いで乗り込んだ。準決勝では当時ロンドン五輪銅メダル、世界選手権3連覇中だった海老沼匡を破るなど次々に金星を挙げ、瞬く間に初優勝。早くからその素質と能力は認められていたものの、IJFワールドツアーの優勝で一躍世界に名を轟かせた。

 

しかしグランドスラム東京制覇は、阿部に針路変更を余儀なくさせた。「東京五輪のゴールドメダルに最も近い男」だったのが、4年も早まりリオデジャネイロ五輪を目指すことになったのだ。

 

10代のオリンピアン、メダリスト誕生へと周囲の期待は高まったが、それと反比例して彗星のスピードは鈍っていく。

 

自分の柔道が十分に確立できぬまま結果を求められ、資質と勢いで戦い抜いてきたが、対戦相手に研究されるようになるとそうは上手くいかなかった。世界の舞台に立って当たり前、勝って当たり前というプレッシャーも阿部の技の切れを失わせた。

 

2015年の全日本選抜体重別は3位、講道館杯も3位で終わり、五輪代表選考会の一つであった「グランドスラム東京」には出場できず、掴みかけた五輪代表権は手からこぼれおちた。

 

阿部は逆説的にこう話す。「あらためて振り返ると高校2年生だった自分は凄いなと。あの勢いが続いていたら誰にも負けなかったと思う」悔やまれる負けと苦悩を重ねたスター候補生は、勢いは失ったが多くのことを学んだ。「負けを経験して、いろいろな人から話を聞かせてもらった。自分は心の部分でも成長していると思う」

 

阿部は目標を再度変更し、東京五輪を目的地に設定した。東京五輪で燃え尽きてもいいと話すが、彼の最終目標は、五輪4連覇である。その意味は敬愛する野村忠宏氏を超えること。「3連覇している野村さんを超えないと伝説は残せない」これを公言できるだけの能力を阿部は秘めている。あとはいつ始めるかだけだ。

 

東京へのリスタートの地はやはり東京だ。五輪で圧倒的な柔道を見せ世界を驚かすための第一歩はもう一度、存在感を示して勝つこと。「でもあの高校生の時の勢いのある柔道は絶対に忘れてはいけないと思う。自分の持ち味だから」

 

あの勢いを取り戻し、精神面もこの2年で大きく成長した阿部一二三が再び「グランドスラム東京」の場に立つ。

 

阿部 一二三

生年月日:1997年8月9日

出身地:兵庫県

階級:66kg級

所属:日本体育大学1年

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