グランドスラム東京で「強い髙藤」を見せつける
リオデジャネイロ五輪において、60kg級で銅メダリストとなった髙藤直寿。グランドスラム東京では、2012年、2013年、2015年と優勝を果たしている。
ずっと憧れだった「オリンピックでの金メダル。それに手が届かなかった」という悔しさを胸に、次に見据えるのは2020年の東京五輪。そのためにはまず、グランドスラム東京で「強い髙藤」を見せつけたい……彼にとってまた、重要な意味を持つ大会となりそうだ。
「難しいですね。4年に一度、それがあの一瞬で終わってしまうんで……怖いですよ」
にこやかにインタビューに応じた髙藤が、ひとりごちたその言葉。その言葉の重みを本当に実感することができるのは、オリンピック出場を果たしたごく一部の限られた選手だけではあるのだろう。
彼にとって初めてのオリンピックだったリオデジャネイロ五輪。メダリストにはなったものの、その結果は満足いくものではなかった。3位決定戦後、ガッツポーズを見せてはいたものの……。
「自分にとって大きな一区切りの試合ではありましたし、人生の中でああいう場で戦えるというのはなかなかない。色んな人に情けない顔を見せたくなかったし、試合後は正直ホッとしたというか、やっと終わった、というプレッシャーから解き放たれた喜びが大きかったですね」
ただ、夢見ていた金メダルには届かなかった。
「ああ、色が違うなと……これはじわじわきますね。ほかの選手は3位でも、本当に喜んでいるかもしれない。でも自分は、色んな気持ちがこみ上げてきて……」
手に持った銅メダルを見つめる彼の表情は、笑顔は見えているものの複雑だ。
「よく見たら金だったりしないかなー、と思って」とおどけたように話す、その言葉に彼が感じている悔しさが滲み出る。
その悔しさを彼の中で切り替えることができたのが、グランドスラム東京への出場決定だった。彼が今見据えている、2020年の東京五輪。しかしリオデジャネイロ五輪の経験は、オリンピックという場所の怖さ、そして「4年間」という時間をどう過ごさなくてはいけないかという課題も教えてくれた。
もちろん、その間の辛さも十分味わっている。でもだからこそ、その経験を活かせると。そしてそのためにまず最初のポイントとなるのは、これまで3度優勝を果たしているグランドスラム東京。彼にとってこれまで「柔道人生の中でポイントになることが多かった」というこの大会で、「強い髙藤」を見せつけること。それは彼の、次の4年間の始まりとして、とても重要なことなのだ。
「勝ちにいきます」
はっきりと言い切った髙藤。その決意を東京で、目の当たりにしようではないか。
髙藤 直寿
生年月:1993年5月30日
出身地:栃木県
階級:60kg級
所属:パーク24