11月22日に開幕する柔道グランドスラム大阪。
2020年東京オリンピック代表選考を兼ねる大一番に日本代表はどんな思いで挑むのか。
男女全階級の見どころを紹介する全14回連載の9回目。

角田夏実(了徳寺大職) Photo Itaru Chiba
女子48kg級の台風の目は角田夏実(了徳寺大職)だろう。52kg級では一昨年の世界選手権で銀メダルを飾るなど活躍していたが同階級では世界二連覇の阿部詩が台頭。角田は今秋階級を転向し48kg級で五輪切符を狙うことになった。
今年11月の講道館杯では準々決勝で世界ジュニアチャンピオンで今大会にも出場する古賀若菜(南筑高)を腕挫十字固で撃破。その後も得意の巴投で一本勝ちの山を築き上げ、52kg級に続いて同杯を制した。
11月21日に行なわれた公開練習後、角田は「いつもの試合と同じで(明日も)楽しみ」と話し始めた。
「48kg級の選手を一から研究しようと思うと、頭の中がいっぱいで不安がすごく大きい。でもやれるだけのことはやってきた。明日はそれをどう出せるかだと思う」
女子48kg級は強豪揃い。角田は一回戦で世界ランキング16位で、昨年のGS大阪では5位に入賞したカン・ユジョン(韓国)と激突する。ユジョン得意の背負投をしのげるか?

渡名喜風南 Photo Sachiko Hotaka
もう一方のブロックは今年の世界選手権ファイナリストで、一昨年の世界女王である渡名喜風南(パーク24)が一歩リード。その渡名喜を世界ランキング10位のメラニー・クレマン(フランス)、リオデジャネイロ・オリンピック銅メダリストの近藤亜美(三井住友海上)が追う展開になるか。

近藤亜美 Photo Itaru Chiba
前述の古賀はシニアでも今年の全日本選抜体重別で優勝という実績を持つ期待のホープ。勝ち上がれば、準決勝で角田に雪辱する機会が訪れる。

古賀若菜(南筑高)Photo Sachiko Hotaka
文=フリーライター・布施鋼治