東京五輪代表選考会である柔道グランドスラム大阪。
2020年東京オリンピック代表選考を兼ねる大一番に日本代表はどんな思いで挑むのか。
男女全階級の見どころを紹介。
柔道グランドスラム大阪 みどころ 男子73キロ級
73kg級の″絶対王者″大野将平(旭化成)は欠場ということで、優勝争いは混沌としてきた。とりわけ一昨年の世界王者・橋本壮市(パーク24)にとっては再浮上のチャンスだろう。今年4月の全日本体重別では10分近い持久戦の末、大野の隅落によって技ありを奪われ準優勝に終わったが、7月のグランプリ・モントリオールではオール一本勝ちで優勝している。
″橋本スペシャル″(片手の袖釣込腰)を爆発させることができるか。
昨年のグランドスラム大阪では決勝を大野と争ったベテランの海老沼匡(パーク24)にとっても捲土重来の機会が到来したといっていい。

海老沼匡(パーク24)Photo ItaruChiba
順当に勝ち上がれば、当たる可能性の高いいくつものGSで優勝しているトミー・マシアス(スウェーデン)との3回戦、今年の世界ジュニアで優勝しているソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)との準々決勝がひとつのキーポイントとなるか。
今年の講道館杯では全くノーマークというべき存在ながら決勝で海老沼を合わせ技で破るなど6試合連続全て一本勝ちという離れ業をやってのけた原田健士(日体大)は昇り調子。

原田健士(日体大)
今年のグランドスラム・エカテリンブルクで銅メダルに輝いたベフルジ・ホジャゾダ(タジキスタン)との2回戦に勝ち上がれば、今大会を大いにかき回す存在になる可能性を秘めている。
2017年のグランドスラム東京では73kg級で金メダルを獲得。今回は大野の欠場によって繰り上がり出場することになった立川新(東海大)は2回戦で当たる可能性の高いロンドン・オリンピック66kg級金メダリストであるラシャ・シャブダツアシビリ(ジョージア)との一戦が第一関門といえそうだ。

立川新(東海大)Photo Itaru Chiba
文=フリーライター・布施鋼治