東京五輪代表選考会である柔道グランドスラム大阪。
2020年東京オリンピック代表選考を兼ねる大一番に日本代表はどんな思いで挑むのか。男女全階級の見どころを紹介。
柔道グランドスラム大阪 みどころ 男子100キロ超級
今年の世界選手権銀メダルの原沢久喜(百五銀行)は左半膜様筋肉離れで出場を回避したため、影浦心(日本中央競馬会)に期待がかかる。影浦は今年10月のグランドスラムブラジリア(以下GSブラジリア)の初戦でオリンピック金メダリストのティディ・リネール(フランス)と10分近い激闘を繰り広げたばかり。
プールBに入った彼の前に立ちはだかりそうなのは同ブロックのイナル・タソエフ。今秋のGSブラジリアで3位に入賞している、ロシア期待のホープだ。
Aブロックには同世界選手権で3位に入賞したキム・ミンジョン(韓国)がいる。まだ19歳と若く、準決勝でオリンピックで2度も銅メダルを獲得しているラフェエル・シルバ(ブラジル)を下した実力は高く評価されている。今大会でミンジョンは2回戦で香川大吾(ALSOK)と対戦する可能性が高い。″ドカベン″のニックネームを持つ香川は今年の講道館杯で準優勝を収めている。ミンジョンの進撃を食い止めることができるか。
もう一方のブロックには前述のミンジョン同様2019年世界選手権で3位に入賞したロイ・メイヤー(オランダ)が出場する。メイヤーは10月下旬に開催されたGSアブダビで優勝しているだけに、好調をキープしたままGS大阪の舞台に上がると思われる。
今年の講道館杯で優勝した熊代佑輔(ALSOK)は一回戦を突破すれば、2回戦でメイヤーとの一戦が実現する。得意の大外刈は世界3位に通用するのか。

熊代佑輔(ALSOK)
日本代表の中では最年少(21歳)の太田彪雅(東海大)は昨年のGSエカテリンブルグで金メダルを獲得している成長株。今年の全日本選手権準々決勝では原沢をGSに入ってからの袖釣込腰の技ありで破っている。初戦で世界選手権ベスト32のアンディ・グランダ(キューバ)を突破すれば、上位進出も夢ではない。
文=フリーライター・布施鋼治