第20回(8/ 15放送分) 「消火用布の安全性」

住宅火災の件数は、建物火災の件数の実に6割を占めている。
家庭での火災に備えて様々な商品が販売されているが、今回はその中のひとつ、消火用布の安全性について、国民生活センター商品テスト部 池田正慶さんに話を伺った。
消火用布というのは、ガラス繊維などで作られた1メートル四方ほどの布で、ごく初期の天ぷら鍋火災の時に、鍋を覆うようにかけて消火するという商品である。
天ぷら鍋火災を消火する道具には、消火器やエアゾール式簡易消火具があるが、これらは規格基準があり、消火性能が確認されている。
これに対し、消火用布には規格基準がないので、4種類の消火用布でそれぞれ2回ずつ、新品を使って消火性能をテストした。
テストは、ごく初期の天ぷら鍋火災を想定し、自然発火した炎の高さが50センチになったところで消火用布を鍋に被せて消火できるかどうか調べた。
その結果、4種類の消火用布すべてにおいて、2回のうち1回は、一旦消火したように見えたものの、再び火がつき、確実には消えなかった。
これは、気化した天ぷら油が布を通過したり、鍋と布との隙間から漏れて空気中の酸素に触れ、再び火がついたものと考えられる。
このテストでは、消火用布を使って繰り返し練習した人が消火しても再び火がついたので、一般の人がこの布を使って簡単に火を消せるとは言いがたい。
さらに、消火のときに炎の上に身を乗り出して消火しなければならず、火傷を負ったり、
鍋をひっくり返してしまうなどの二次災害の危険もある。
したがって、天ぷら鍋火災のときには、規格基準化されて「天ぷら鍋火災用」として販売されている消火器や、NSマーク付きのエアゾール式簡易消火具を使ってほしい。
これらは、鍋から離れた所から消火でき、その性能も確認されているので安全である。
消火器でも消火できない場合は、身の安全を確保して、速やかに119番通報すること。
<今日のキーワード>
「天ぷら鍋火災のときは消火用布よりも
消火器やNSマーク付きのエアゾール式簡易消火具を使用する」
「消火器でも消火できないときはすぐに119番通報する」