第48回(3/6放送分) 「消費者トラブル解決のための新しい制度」

消費者トラブルに巻き込まれ、「自分だけでは解決できない、でも裁判までは・・・」と思うことはないだろうか。そんな時にトラブルの解決を目指す制度として「ADR」が注目されている。
今回は、消費者トラブル解決のためのADRについて国民生活センター 総務部 ADR準備室 枝窪 歩夢さんに話を伺った。
トラブルにあっても「裁判は避けたい」という時があるだろう。「ADR」とは「裁判外紛争解決手続」といって、裁判を起こすのではなく、当事者以外の第三者に関わってもらいながら解決を図るという方法だ。「裁判」に比べ、簡単な手続きでスピーディーに柔軟な解決ができるのが魅力である。消費者トラブルの解決手段の一つとして4月から始まるのが「国民生活センターの新しいADR」だ。
国民生活センターのADRへ申立てができるのは、「重要消費者紛争」といって「国民生活の安定及び向上を図る上でその解決が全国的に重要であるもの」と法律で決められており、次の3種類に分けられる。
(1)多くの人に同じ問題が発生しているような多数性と広域性がある紛争
例)転職に備えて通っていた資格取得学校に、地方での就職が決まったため解約を
申し出たが、学校が一切返金しない
(2)国民の生命や身体、財産に重大な危害を及ぼすような紛争
例)浴槽用浮き輪を使用中、子どもが浮き輪ごとひっくり返って溺死した事故に
ついて、業者から「母親の不注意」と言われてしまい、責任を負ってもらえない
(3)争点が多く、事件が複雑など、紛争解決委員会による解決が適当と認められる紛争
例)軽い認知症で正常な判断ができない母親が契約した個人年金保をが
クーリング・オフできない
消費者の抱えている紛争が、この例のような「重要消費者紛争」に該当すれば、国民生活センターのADRを利用することができる。ADRの申立てがされると、国民生活センター紛争解決委員会の委員長が内容に適した委員を選定し、和解の仲介や仲裁の手続きにより解決を図って行く。手続き終了後、必要に応じて結果の概要を公表するのも、国民生活センターの新しいADRの特徴である。