~2週連続特別企画~パリを彩る美しき歴史遺産スペシャル

【テレビ東京】前編:2/23(土)夜10時~10時30分/後編:3月2日(土)夜10時~11時【BSジャパン】前編:4月3日(水)夜10時54分/後編:1:4月10日(水)、2:17日(水)夜10時54分 ※3週にわたり放送

凱旋門、ノートルダム大聖堂、サクレ・クール寺院・・・誰もが一度はその名を耳にしたことがあるであろう、パリを象徴する名建築の数々。それだけではありません。パリの街を歩いてみると感じるはずです。世界遺産の街・パリは、まさに一つの美術作品なのです。しかし、その建てられた本当の意味を知らず、素通りしてはいませんか?知っているようで知らないランドマークの歴史を辿れば、あなたはさらにこの街に魅せられることでしょう。今回は、ナレーターの小林薫が世界遺産の街パリを歩きながら、その美の秘密を解き明かします。

前編:2月23日(土)夜10時~10時30分

写真:ノートルダム大聖堂

写真:ノートルダム大聖堂「バラ窓」

セーヌ川を中心に美しい街並みが広がるパリ。歴史的建造物が所狭しと立ち並び、世界遺産にも指定されています。その美しさはヨーロッパ随一。古くから憧れの街として、一年を通じ多くの人たちを惹きつけてきました。そんなパリで一番人が訪れる場所はどこか、ご存知でしょうか? 

答えは…ゴシック建築の最高峰と呼ばれる『ノートルダム大聖堂』。年間1400万人が訪れるパリで最も有名な建造物です。その歴史は古く、着工は1163年。そこからおよそ200年の歳月をかけて建てられ、今年はちょうど着工から850周年を迎えます。

塔の高さは63m、幅41m、奥行き130m。石造りの建物とは思えないほど巨大です。一歩足を踏み入れれば、広がるのは神の国を体現したような荘厳な空間。森をイメージしたという柱が、天に向かって伸び連なり、最大で9000人を収容する巨大な空間を形作っています。光をいっぱいに湛えた大きな窓には、青や赤のステンドグラス。堂内に鮮やかな色彩をもたらします。中でも圧巻なのが、直径13mを誇るステンドグラス「バラ窓」。この高さと荘厳な光こそが、ゴシック建築の精髄と言われています。

写真:ガーゴイル

しかし、そんなノートルダムを18世紀末ある悲劇が襲ったのです。ノートルダムと関わりの深いものがあるというクリュニー中世美術館で小林薫が目にしたのは、見るも無残な彫刻の数々…。ノートルダムにいったい何が?

さらに今回は、普通では立ち入ることの出来ないノートルダムで最も神聖な場所に、特別に入らせてもらいました。ここで起こったある出来事によって、ノートルダムは威厳を取り戻したというのです。それは何か?

ゴシックの名建築『ノートルダム大聖堂』にまつわる美の物語をお届けします。

後編:3月2日(土)夜10時~11時<60分拡大スペシャル>

ノートルダム大聖堂が中世から近世にかけてのパリのランドマークだとすれば、19世紀パリのランドマークは一気に増えます。その一つが、シャンゼリゼの坂の上にそびえる一際巨大なシンボル『凱旋門』です。高さは50m、幅45m、奥行きは22m。正式名称は『エトワールの凱旋門』と言います。どっしりと力強く大地に根を下ろしながらも、門のあらゆる面には細かな浮き彫りが施され、その比類なき繊細さと重厚さは、門というよりそれ自体が巨大な彫刻作品のようです。

凱旋門は、1805年にアウステルリッツの戦いでロシア・オーストリア連合軍に劇的な勝利を収めたナポレオンが戦勝記念に建設を命じた門です。ところが、凱旋門はナポレオンの思惑を超え、意外な象徴的建築物となっていくのです。凱旋門が辿った数奇な運命とは…?

偉大なる皇帝ナポレオン1世の死から40年後、パリ中の景観を一変させる大改造が行われました。着手したのは甥のナポレオン3世。そしてパリは、世界一美しい都へと劇的な変化を遂げることになります。

しかし、パリの街の大半が改造された中で、改造されずに遺された貴重な建築がありました。パリで一番古いと言われている劇場『デジャゼ劇場』です。1770年、フランス革命以前に建てられたというこの劇場を訪れると…なんと、あのマリー・アントワネットがお忍びで使用していたというサロンを発見!パリという街は最新の建築物を次々に誕生させていく一方で、歴史ある古い建物に手を入れながら上手に使いこなす、実にバランスの取れた街だったのです。

もう一つ、そんなパリの姿を伺い知ることが出来るのが、19世紀に街の近代化とともに生まれた鉄とガラス屋根の商店街、パサージュ・ジュフロワです。その誕生の秘密を探るべく、パサージュのオープン時から続く老舗ホテルを訪れました。すると、その地下には驚愕の歴史遺産が眠っていたのです…! 19世紀、多くの画家たちが集ったパリ北部の小高い丘・モンマルトル。その頂上に白亜の寺院がそびえ立っています。高さ83m、幅35m、青い空に映える威風堂々とした佇まい。『サクレ・クール寺院』です。

写真:凱旋門

写真:デジャゼ劇場

写真:パサージュ

しかし、その姿といえばキリスト教教会にも関わらず、イスラム教のモスクのような形をしています。いったいなぜなのか?しかも、意外な事実も発覚!サクレ・クールは建築当初、パリ市民から嫌われていたというのです。今では年間1千万人もの人々が訪れるという、この美しき寺院に何が起こったのでしょうか?

2千年の歴史を物語る美しき建造物の謎をひも解きながら、皆さまに知られざるパリをご案内致します。

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