「ケアワーク谷根千」で働く介護ヘルパーの宮島紫雨子(斉藤由貴)は、ケアマネージャーの嘉手名光吉(蟹江敬三)から、気難しいことで知られる米田雄蔵(村井國夫)の家へ行くよう命じられる。米田は元大学教授で、脳梗塞を起こして以来左半身が麻痺状態にあったが、口うるさい性格のため、担当するヘルパーが長続きしないことで有名な人物だった。しかし、どんな相手にもひるまず態度を変えない紫雨子の性格を気に入ってか、米田は次第に紫雨子に打ち解けた様子を見せるようになる。
ところが数日後、その米田が何者かに殺害されてしまう。警視庁捜査一課の刑事・大畑俊策(渡辺大)と所轄の刑事・矢木沢進(久保酎吉)から事情を聞かれた紫雨子は、前日、米田が誰かから「張り替えができた」という内容の電話を受けていたこと、その相手と8時に会う約束をしていたこと、8時半頃、紫雨子が犯行現場の寺を偶然通りかかった際、赤いカバーのテニスラケットを持った女性を目撃したことなどを話す。また紫雨子は、女性が立ち去った後、その場にいい香りが残っていたことを思い出す。しかし、そんな紫雨子に対し、俊策はなぜか突っ張った態度を取るのだった…。
やがて、米田の死因はテニスラケットのガットによる絞殺であることが判明し、米田が通っていたテニススクールの理事長・須永(加藤満)の証言から、専属コーチの岩崎由里(高橋かおり)が捜査線上に浮かび上がる。由里は、財力がありそうな会員をターゲットに定めて金品を貢がせることを繰り返しており、米田も由里に入れあげていたというのだ。
由里は元警察OBの国分(中原丈雄)を理事長に据えて、自分のテニススクールを立ち上げていた。俊策たちが事情を聞きに訪ねると、由里は事件当夜米田と会っていたことは認めたものの、ガットの張り替えが済んだラケットを渡しただけで、10分ほどで立ち去ったと話す。
米田の通夜の席で由里とすれ違った紫雨子は、由里と、犯行現場の寺にいた女性が、同じ香りをまとっていることに気付く。しかし、凶器に使われたガットの材質が、その日由里が米田に渡したラケットに使用されていたものとは異なることが判明し、由里の犯行という線は薄くなってしまう。
そんな矢先、その由里が殺害されてしまう。容疑者として、由里と愛人関係にあった須永、雄蔵と由里の仲に悩んでいた妻の理恵子(萩尾みどり)、雄蔵と対立していた長男・智一(永野典勝)、長女・すず(木内晶子)が浮かび上がる。そこから、事件は意外な展開を見せはじめ…。









