作家の山村美紗(浅野ゆう子)のもとに、5年前に首を吊って死んだ祇園の舞妓・夏乃(野々すみ花)から招待メールが届く。命日に自分を偲ぶ会を京都の巽寺で行うという。夏乃とは面識がほとんどなく、なぜ自分に?と不審に思いながらも、死者からの招待状に事件のにおいを感じた美紗は巽寺に向かう。
寺に集まったのは美紗のほかに、美紗の知人でガラス工芸作家の山岡雄三(升毅)、夏乃が所属していた置屋の女将・坂上益恵(石井苗子)、西陣問屋社長の後藤渉(高知東生)と後藤の秘書・大木達也(和田聰宏)、夏乃の先輩舞妓・冬乃(桜乃彩音)と後輩舞妓の豆花(志保)。なぜか不穏な雰囲気が漂う中、寺の老僧(温水洋一)が現れ、匿名で夏乃の法事の依頼メールが届いた後、金も振り込まれたためこの席を設けたと告げ、法事が開始される。
その後老僧から、メールに『京舞 東山』をぜひ舞って欲しいと書かれていたことが伝達され、豆花の後押しもありその曲を得意にしていた冬乃がしぶしぶ舞うことに。
だが、持参した飲み物を飲み舞い始めた直後、冬乃が急に苦しみだしその場で絶命してしまう。早速、出席者たちは京都府警の警部・狩矢荘助(吉田栄作)らの事情聴取を受けることに。
その後美紗は、偲ぶ会に欠席したのが幼なじみの柴田彩子(手塚理美)と知り、彩子のおばんざいやへ向かう。美紗は店に居合わせた山岡が、かつて夏乃と交際していたことと、夏乃は山岡と別れた5年前のその夜、山岡のアトリエで死んだことを彩子から知る。
一方、冬乃の死因はヒ素の一種による中毒死と判明。そのヒ素は、ガラスを作る際にも使用するものだとわかり、山岡への疑いをますます深めた狩矢たちは、夏乃の変死事件との関連を調べはじめる。
美紗は狩矢から、夏乃の死亡当時の話を聞く。山岡のアトリエは、中からかんぬきがかかっており、完全なる密室状態だったという。一見自殺と思われる状況だったが、遺体の首に巻かれていたロープ痕が左右対称ではないのが自殺ではありえない痕であり、狩矢は当時から他殺の可能性もふんでいたと告白。死体発見前夜、山岡は夏乃と会っていたことも認めており、別れ話のもつれから山岡が犯行に及んだことも十分考えられたが、犯人につながる物証が揃わず自殺という結論になったのだという。
夏乃の変死事件の密室トリックを崩し二つの事件を解決したいという狩矢の言葉に、山岡がどうしても犯人とは思えない美紗は、京都にやってきた盟友・西村京太郎(角野卓造)の心配をよそに、真犯人を突き止めることを決意する。
その後、後藤はなぜか最近冬乃のスポンサーを降りていたこと、また大木は密かに冬乃と深い仲にあり、それを後藤に知られることを恐れていた可能性が、さらに冬乃と不仲だった益恵、そして偲ぶ会当日、出席をしぶる冬乃のマンションに出向きなだめすかして出席させた豆花、と冬乃殺害にそれぞれ疑いが及ぶが…。
そんな中、密室のトリックを解くため山岡のアトリエを訪れた美紗。その背後に怪しい影が迫り…!